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step(テニスの王子様 学園祭の王子様)

Juka様に「テニスの王子様 学園祭の王子様」のSSを書いて頂きました。

主人公は氷帝に通っている設定になっています。



「補習でもないのに、何で学校に来なきゃならないんだろ」


そう彼女はボヤきながら、学校近くのコンビニで買ったアイスに噛り付く。


「――――――確かお前、部活には入って無かったよな」

担任からの突然の電話が掛かってきたのは、昨晩の事だった。

「・・・・ハイ。帰宅部って言って頂いても、構いませんが」

「はははっ、まぁ、そう突っかかるなって。で、この夏休みは

何か予定はあるのか?旅行とか」

彼女のトゲのある言い方を、然して気にする事もなく、彼は話を続ける。

「いえ・・・特には無いですけど・・・」

正直に答えてから、しまった、と思った。

嫌な予感がした。夏休みに担任から電話が掛かってくるなんて、ロクな事が無い。

彼女は思った。後の祭り、だったが・・・。

「そっか、そっか。なら、よかった」

―――—何が、よかった、なの?その言葉は呑み込んだ。

「もう一つ確認なんだが・・・」

急に担任のトーンが落ちたので、思わず身構えた。

「な、何でしょう・・・?」

「大事なことだが、お前、宿題は終わっているか?」

些か、拍子抜けした。8月に入ってから、すぐに終わらせていた。

「はい、終わってますけど」

「そうか!なら、問題は無いな!!」

その声の大きさに、彼女は受話器から耳を遠ざける。

・・・・問題って、何?そう言いたかった。

「・・・・で、何でしょうか、ご用件は」

なかなか本題に行き着かないので、自分から切り出してみる。

どうせ、ここまで話をしてしまったんだ。彼女は覚悟をした。

「ああ、そうか。明日、学校に来てくれ」

「はぁ?」

人の都合も聞かず、いきなり学校に来いとは・・・

彼女はムッとしたが、相手は担任だけにそう文句も言えない。

「あのぉ・・・」

私の予定も聞かず?と言いたかったが、それより前に

「それじゃ、明日9時に職員室。よろしくな」

と言われ一方的に電話は切られた。

無機質な音をしている受話器を眺め、彼女はため息をついた。

「そりゃ、予定、ないけど・・・・」


夏休みとはいえ私服で学校に来るわけにもいかず、クリーニングから戻った

ばかりの制服を着て、彼女は学校へと来た。そこが彼女の真面目な所だった。

「んー、おいしい」

アイスを満足そうに食べながら、学校へと入って行く。

行儀悪いかな?とは思ったが

「誰もいないし、いいよね。暑いんだもん」

などと言いながら。


時間があったので、何気に学校の敷地をぶらつく。

「9時って言われたから、まだいいかな」

そう言って彼女は、校舎とは反対側に向かって歩き出した。


ふと、テニスコートの横で足を止める。普段は全く近づかないのだが、夏休み

ということもあって、気が緩んでいたのか、金網越しに眺めてみる。

テニス部が練習をしている。ボールを打つ音が、すぐ近くに聞こえてきた。

「すごいなー、全国大会かぁ・・・」

テニス部は、部員が200人以上は在籍しているマンモス部であり、その中で

レギュラーになれるのは、ほんの一握り・・・いや、ひと摘みといった競争率の

激しい部だった。しかも敗者切り捨て、といった情け容赦ない事でも有名だった。

さらに、そのレギュラー陣は個性的な面々ばかりとも聞いていた。

「まぁ、テニス部なんて私には縁のないところだし・・・。もっとも、私が氷帝に

通っているのも、不思議なことだけど」

などと、あっけらかんと言った。

アイスを食べながらさらにぼんやりと練習を見ていると、大勢いる部員とは

違ったジャージを着た、レギュラーと思われる一人と目が合った。

「!!」

まさか、こちらを向くとは思っていなかったので、彼女は驚いた。

彼は彼女を見ると「え?」という表情をしたが、すぐに笑顔を向けてきた。

―――—うう、変なトコ、見られたかな。

「この学校で、アイス食べながらぷらぷらしているのって、私ぐらいだよね」

ぽそりといって、そそくさとその場を離れていく。そして今度こそ校舎へ向かう。

「・・・・ん」

次にアイスを口にすると歯ごたえがあった。どうやら、アイスの棒に行き着いたようだ。

ふとアイスを見てみる。“あた”の文字が見えた。

「やった、“あたり”だ!ラッキー。帰りに交換してもらおっと」

と、少し弾んだように歩きだした。


まさか彼女は、次の中間登校日で、自分が合同学園祭の運営委員に選ばれ、

しかもテニス部の部員に恋をするなどという事になるとは

この時、思ってもいなかった・・・・。


fin

Juka様、ありがとうございました。

学プリのプロローグっぽい内容ですけど、これからどうなるか楽しみな内容です。

主人公が普通の中学生で、何ていうかほのぼのしていません?

これを読むとまた学プリをプレイしたくなります。

Juka様、本当にありがとうございました。


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