ネタバレレビュー
Written by madoka
※セリフやイベント等のネタバレが含まれますので、読まれる際はご注意下さい。
ストーリー
高校2年生の夏、主人公は依頼でとある田舎町に向かうことになった。
四方を山に囲まれた人と妖の楽園。記憶にない、けれど懐かしい場所 ――― 伊那砂郷(いなさごう)。
そこで主人公は大切な人とこの夏を共に過ごす。
主人公と一緒に郷に来た相棒の妖、祇王。依頼を紹介してくれた、ちょっと怪しい情報屋の東雲さん。
血の繋がらない従兄妹で2年ぶりに再会した愁ちゃん。仇を追う、少し寂しい瞳をした退魔師の後輩高虎くん。
そして、初めて逢ったはずなのに、なぜか懐かしい人、薙羽哉さん。
簡単なはずの依頼は、謎の妖の出現によって一変する。
敵対する妖たち。夜毎起きる怪異。思い出したくないけど、思い出さなければならない赤い結末。
あの細い月が満ちた時、主人公はどんな終を見るのだろう。運命の夏がはじまる ――― 。
全体感想
元々はPCゲームだったのですがPSPに移植された作品です。
ちなみにFDはPCのみです。
常連の方に「谷山紀章さんが好きなら絶対にプレイするべき」と教えられプレイし始めたのですが、久し振りにやり甲斐のあるゲームでした!本当に本当に面白かったです!
攻略はかなり大変で、仕事の合間とはいえ1週間以上掛かってしまいました。
なのでコスパは非常に良いゲームと言えるかもしれません。
このゲームは人身御供とか『血』についての話なので、内容によっては喉を切ったり足が潰れたり、かなり血だらけのグロい表現が出てきます。
私はバイオハザード系のホラーは大丈夫なのですが、痛いのが苦手なので、ちょっと辛い場面もありました。
でもそれをカバーする程面白いゲームでした!
そしてエンディングの他に「称号」というのがあるのですが、それがかなり大変で、ただやみくもにプレイしていては回収出来ないと思います。
私は今回教えて頂いたナナ様にご協力頂いたので、最初から行動をチェックしながらプレイしたので楽でしたが、全く何もしていなかったら全箇所ローラー作戦をしないといけなくなると思います。
行動表も作ったので、プレイする際は必ず行動表をチェックしながらプレイするのをオススメします。
本当にやり甲斐のあるゲームなので、好きな声優さんが出ているという方は是非プレイしてみて下さい。
特に竹本さんファンの方と紀章さんファンの方にはオススメです。
八重垣薙羽哉(CV:小野大輔)
キャラクター
伊那砂郷の郷長で主人公の依頼主。18歳。ちょっと短気で口が悪い。
退魔師ではないが、現身・幽体問わず妖を斬る力を持っている。
普段の生活から郷長の業務まで後見人にまかせっきりで、無自覚に依存している。
主人公には不思議な懐かしさを抱いており、戸惑いながらも惹かれていく。
内容
夢の中に出て来る主人公にそっくりなナオ、薙羽哉にそっくりなサク、そして安綱 …… 。
自分たちにそっくりな2人が殺されてしまう夢を見る主人公と薙羽哉ですが、2人とも夢の中の人物の生まれ変わりで、主人公は供物の血を持ち、代々人柱になる運命を背負っています。
薙羽哉編ではその悪しき輪廻を断ち切るために、2人で伊那砂郷のある場所へと向かいます。
感想
何て可愛い郷長なんだ!
こういうキャラって甘いセリフを言った後の照れ具合がホント可愛いです!
これ、小野Dファンは相当ヤラれるのではないでしょうか?
薙羽哉編はこのゲームのメインの内容で、主人公が時折思い出す夢の内容と現実が交錯するストーリーです。
キャラクター的には好きな子には素直になれない男の子の典型で、序盤は他のキャラと主人公が仲良くしているだけでイライラしたり八つ当たりしてきますが、薙羽哉ルートに入ってからは普通に甘いセリフをさらっと言ったりしてきます。
基本的にはヤキモチ妬きで、特に主人公の兄同然の愁ちゃんの事をラスボス扱いしています。
小野大輔さんの素直じゃないノリツッコミキャラというのが個人的に久しぶりだったので、とにかく笑わせてもらいました。
ただ私の場合は他に気になるキャラがいたので、そのキャラばかり目に入ってしまい、メインキャラの薙羽哉編なのに純粋に楽しめなかったのが残念でした。
ネタバレ的にまずBAD ENDをクリアし、その後キャラクターの中では最初に薙羽哉を攻略するのをオススメします。
- オススメのセリフ
……… はぁ?
ちょ、いや、ダメだろ。いや、さすがにそれは、マズイ、マズ過ぎる。
なにがだよ!? 大丈夫のだの字もねーよ!?
あーそれなら …… ってそんなわけあるか。
おい、なんでニヤニヤしてんだよ。
――― 覚えてろよ。
祇王(CV:代永翼)
キャラクター
3年前に主人公に助けられて以来、共に退魔の依頼をこなしてきた相棒の妖。
幼い見た目に似合わず老獪な喋り方をし、暇があればいつも本を読んでいる。
真面目で律儀な性格で、お兄さんぶって主人公に接するが周囲からは祇王の方が弟のように思われているのが不満。
東雲の家に住んでいるが性格的にそりが合わず、一方的に祇王が東雲を嫌っている。
昔、愁一郎の護法童子に師事し、術などを習っていた。
内容
祇王は自分自身が何の妖か分からないので、師匠の虚空に呪紋してもらい、今まで人とあまり接することなく生活してきましたが、この郷に来てから郷の環境や気持ちの変化により、力が徐々に大きくなり始めます。
そして祇王自身も主人公をずっと守れるように主人公と東雲以外の人とも積極的に話し掛け、人に心を開こうと努力するようになっていきます。
そんな時、祇王の前にカガチが現れ、「妖と人は仲良く出来ない、騙されている」と言い出します。
感想
祇王可愛かった!
ずっと傍にいて支えてくれる人っていいですよね。
こういう可愛い感じのキャラクターっていうと、もう代永さんというイメージです。
祇王は、愁一郎がいなくなって寂しい思いをした主人公を側で支えてくれた強くて優しい子なので、虚空は戒めを解くことになるのですが、ある意味そこからが祇王編です。
呪紋が解かれた祇王は真の姿になって主人公を一生懸命守ります。
薙羽哉編とは違った妖と人間の話なので、郷とか輪廻とか関係なく純粋に祇王と主人公の恋愛ストーリーという感じでした。
あ、カガチも少し入りますけど。
祇王は可愛いだけじゃなく、強さや優しさがにじみ出ているキャラクターなので、今まで攻略してきた代永さんCVのキャラクターの中で私は一番素敵だと思いました!
ぎおたんと霖たんの組み合わせ大好き。
祇王はネタバレを考慮して安綱の次に攻略するのをオススメします。
- オススメのセリフ
傍にいたから気付かなかったことも多い。
傍にいることが当たり前と思っておったからな。
この郷に来て、気付かなかったことに気づき、当たり前は当たり前でないと知った。
ずっとおぬしの優しさに甘えていたのじゃな。
おぬしの傍は居心地が良すぎるのじゃ。
伊織愁一郎(CV:竹本英史)
キャラクター
主人公の血の繋がらない従兄で凄腕の退魔師。29歳。
焔の術と護法童子を使役する童子遣い。寡黙で愛想がない為、誤解を受けやすい。
主人公と同じ家で暮らしていたが2年前、突然家を出て行き、それ以来連絡も途絶えていた。
郷で再会して以来、主人公のことを以前のように可愛がり、甘やかすがどこか一歩引いた態度で接している。
退魔師としては有能だが私生活はかなりだらしがない。
内容
主人公は、自分が伊織の家に嫁ぐために引き取られた事を偶然耳にします。
愁一郎は主人公がこの事を知ったら心を殺しても従うから黙っていて、主人公は愁一郎への気持ちに気づき、本当の気持ちを口にしようとします。
しかし愁一郎は、主人公を伊織の家から遠ざける為に伊織を継ぐ準備をしてきたから、「主人公にはちゃんと幸せになって欲しい。自分は多くの命を奪ってきたから誰かを幸せに出来ない」と言います。
感想
キャー!同棲万歳!
主人公も言っていますが、愁ちゃんホント可愛い大人です!
昔から主人公の事大好きで仕方がないんだね(笑)
こんな素敵で可愛い29歳なら一回り歳が違ってもOK?
タイプとしては、何事にも無関心の天然系で、主人公の事となると親バカ?兄バカ?そんな感じの甘々状態になります。
お互いの気持ちを確認する前で「お前のこと以外、大事にしたいことなんて他には何もない」ですからね!
いい大人なのに好き嫌いが多く、部屋を片付けられなかったり、どこでも寝ちゃったりとダメな大人の見本みたいな愁ちゃんですが、退魔師としてのレベルは激強で、そのギャップがとっても格好良いんです!
天然ボケな愁ちゃんを揶揄っている霖たんとのやり取りも毎回面白いので、そこも見どころだと思います。
とりあえずこのゲームをプレイした方なら、愁ちゃんか高虎くんのどちらかにはヤラれるはず?
愁一郎編はネタバレを考慮して祇王の次に攻略するのがいいと思います。
- オススメのセリフ
――― は?
それより、今、なんて言った?
壱人の名前を出した後に、なんでキスなんて言葉が続くんだ?
――― 赦し難いな。
元より壱人に情けをかけるつもりはいっぺんもなかったが ――― 見つけたら即行火刑に処してやろう。
フッ ――― こんなにやる気になったのはお前が小学校の時の運動会の場所取りをした以来だ。
利光高虎(CV:谷山紀章)
キャラクター
主人公と同じ学校に通う後輩。15歳。
互いに面識はなく、郷で初めて出会った二刀流の剣士。
礼儀正しく、口調も丁寧だがどこか冷めた印象を与える。
愁一郎と同じ組織に属する退魔師だが、命令に背いて伊那砂郷へ潜入し、兄の仇を追っている。
郷で起きた怪異をきっかけに主人公と知り合い、慕うようになる。
内容
壱人という妖は次々と人の身体へ乗り換えていて、今は高虎の兄の身体を使っています。
高虎は兄の仇の壱人を追って伊那砂郷へ入りますが、壱人との戦いで大怪我をし、特殊な血を持つ主人公は、自身の血を使い高虎の命を救います。
利光の家は元々鬼が起源で、妖と交わったり汚血の鬼斬りだと言われているのに、そんな利光の血を認めてくれた主人公に高虎は徐々に惹かれていきます。
感想
「先輩の恋の奴隷、高虎です」って!
高虎くん最高!!
私は年下キャラは苦手な事が多いのですが、高虎くんはSな腹黒さと弱さと可愛さがいい感じに混ざっていて、15歳なのにとてつもなく素敵でした!
乙女ゲーでは現実離れした素敵な15歳が多発していますが、その中でも高虎くんの魅力は確実に上位だと言えます。
基本はかなりの腹黒Sで、主人公や薙羽哉や祇王を揶揄ったり霖をウザがったりしているのですが、恋人同士になった後はヤキモチ妬きの甘えっ子な面もあり、そして15歳とは思えない程の色気で主人公に迫ってきます(笑)
谷山紀章さんの声だから本当に破壊力抜群なんですよ。
愁ちゃんの所にも書きましたが、多分このゲームをプレイした方なら確実に甘々の愁ちゃんか腹黒Sな高虎くんのどちらかを好きになるのではないでしょうか?
もし紀章さんファンの方でまだ未プレイなら絶対に攻略して欲しいキャラクターです!
一緒に「三鬼」も攻略出来るので、攻略順はネタバレを考慮して愁ちゃんの次がいいと思います。
- オススメのセリフ
好きですよ。大好きです。
だからいじめたいんじゃないですか。
可愛いからいじめたいし、いじり倒したいし、気付いて真っ赤にもさせたいし。
俺にしか先輩を慌てさせられないと思うとちょっと嬉しいです。
東雲霖(CV:小西克幸)
キャラクター
20代半ばに見える年齢不詳の情報屋さん。
愁一郎の知り合いで、何かと主人公の面倒をみてくれている。
人をからかうことが好きで、ふざけたことを言っては怒られて、悦に入るちょっと変わった性質の持ち主。
のんびりとキセルをふかし、傍観者を気取っているが、全てを見透かしたような言動をしたり、戦う力もないのに夜の郷を徘徊したりとちょっと怪しい行動をとる。
人、妖問わず知り合いが多い。
内容
主人公は東雲がいる骨董店に通っているうちに、東雲のことが気になっていきますが、何故か東雲は主人公と一定の距離を置こうとし、さらに「困る」とまで言われてしまいます。
主人公は東雲について悩んでいると、偶然東雲が禍神のアヤと会っている所を目撃にします。
しかもアヤは東雲のことを『兄様』と呼んでいて …… 。
感想
「あ、ちょっとキュンとした?」って!
変態キャラで小西ボイス …… 最高です。
基本は普通の小西さんの声なんですが、ここぞという時に声色を変えてくるので、その度にドキドキしちゃいます!
東雲編の攻略条件が安綱と壱人以外クリア済なので、この時点で予備知識は入っているんです。
だから東雲さんが人間じゃないと分かった時「やっぱりな」という感想でした。
あのチャラけた感じもわざとだと思っていたし、主人公が5歳の時から見た目が変わらない時点でおかしいですし。
でも東雲さんが好きだった人は予想外でした!
言われれば「なるほどな」って思うんですけどね。
最初にはキャーキャー書きましたが、本編は凄くシリアスなので切なくなったり悲しくなったりするかもしれません。
とりあえず本編をクリアして東雲さんの幸せそうな姿を堪能して欲しいです!
何気に東雲さんベタ甘ですよ。
東雲編は攻略制限もあるしエンドロールも総集編という感じなので、一番最後にクリアした方がいいと思います。
- オススメのセリフ
迷惑 …… 迷惑っていうか …… 困る、かな?
一緒にいてたのしい、だけならいいんだけどね。
姫さんがそれ以上を求めてるなら、オレはそれをあげられないから。
誰とでも当たり障りなく付き合うのがオレのモットーだからね。
…… ごめんね、姫さん …… 。
カガチ(CV:斎賀みつき)
キャラクター
郷に現れた夜刀族の妖。祇王に敵意を向けている。
内容
カガチは人間に夜刀の郷を襲われた際に、瀕死の状態だったカガチを救ってくれた太夫のために生きています。
その太夫は伊那砂郷で何かを成そうとしているので、主人公たちはそれを阻止しなければなりません。
カガチは足を治療してくれた主人公と徐々に仲良くなっていきますが、自分は人と相容れない祟神なので「もう会ってはいけない。会う時は戦場でお互いの命を賭けて戦うとき」だと主人公に言います。
感想
やっぱりツンデレ王子!
何でだろう?
斎賀さんのツンデレを聞くと某三男を思い出すのは私だけでしょうか?
カガチ編は夜に名無しの杜に行くと発生するので、イベント自体はかなり少なめです。
しかもロミジュリです。
本編よりも、主人公たちの仲間になった後の主人公がカガチの性別を確認する所とか、高虎くんがカガチをからかって遊ぶ所とか、ギャグな内容の方が面白かったように思います。
でも本当に内容は短いですよ?
やっぱり斎賀さんなだけあって、最後の最後までツンデレ大爆発で可愛くて仕方がありませんでした。
攻略条件は祇王クリア済ですが、攻略順はネタバレを考慮して高虎くんの次がいいと思います。
- オススメのセリフ
うん …… もう痛くない。
べ、別にあんなキズ、ボクは自分で治す事だってできたんだからなっ。
っ …… そういうわけじゃ …… ないけど …… 。
…… 。――― ボクはもう行く。
…… ばかじゃないのか、あいつ …… 。
人が妖に優しくなんてするなよ …… 。
安綱(CV:浜田賢二)
キャラクター
安綱は薙羽哉に仕える従者。
薙羽哉の仕事の補佐(仕事の大半)を行いつつ、八重垣邸の炊事洗濯掃除などの家事一切を受け持っている。
いつ休んでいるのか不思議な人。料理は玄人はだしの腕前。
内容
安綱は、1000の命を助けるためには1の命を犠牲にするのが一番確実な方法だと思っています。
結界のほころびを修繕するためには代々の郷長がやってきた通り、人柱である主人公が犠牲になるのがいいと思っているのですが …… 。
感想
やっちー予想通り郷長より素敵でした!
激強でCVは私が好きな浜田さん。
素敵じゃないわけありませんでした。
一途にナオの命令を守ってきた安綱が、主人公の事をナオ以上に大切に思うようになるので、そこからがある意味本編です。
薙羽哉編では後から駆け付けましたが、安綱編では最初から最後まで主人公のことを傍で守ります。
それが本当に激強で格好良いんです!
どちらかというと悲しく切ないキャラなので、是非ともクリアしてやっちーの幸せな姿を見て欲しいです!
安綱は最初から攻略可能ですが、ネタバレ的に薙羽哉の次に攻略するのをオススメします。
- オススメのセリフ
このような感情をを抱くのは気恥ずかしいのですが、お嬢様のことを考えると、この冷たい心にぬくもりが宿るのです。
ずっと忘れていた気持ちです。
お嬢様が思い出させてくださった気持ちです。
何度でも申し上げましょう。
お嬢様が一番大切な存在です。
失いたくないただひとつのものです。
壱人(CV:細谷佳正)
キャラクター
郷に現れた妖。
高虎と深い因縁がある。
感想
え〜〜〜〜!
これだけ? 本当にこれだけで終わり?
イベント3つだけ???
壱人って他のキャラの時にはサクサク斬り掛かって来たり、普通に他の妖も切り捨てるキャラなのでドSなのかな?と思っていたのですが、最後はまさかの主人公が女王様状態でした。
正直細谷さんファンの方がこれをプレイしたら「これだけ?」ってなると思うのですが、オマケで攻略出来たと思えばいいのかもしれません。
短いのにエンディングは4種類ありますしね。
壱人編はネタバレを考慮してカガチの前か後位に攻略した方がいいと思います。
- オススメのセリフ
だいたいな、200年やって来たこと捨てて、2、3度しか逢ったことのなかったアンタと一緒に居ることを俺は選んだんだぞ?
その意味考えろよ。