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ネタバレレビュー

2016/08/19
Written by madoka

※セリフやイベント等のネタバレが含まれますので、読まれる際は注意して下さい。

ストーリー

人魚達が暮らす海底の国、ミレティス。

元々は美しい青色だった海域だが、今は闇のように黒い。


主人公は人魚姫。

幼いとき、人間を助けてしまったがために罪を負い、塔に幽閉された。

十年もの年月を経た後、人魚の王である父より、自由の条件として命令が下される。

「人間の国、アルメリヤの王子、バジル=エイデルワースを殺せ」


罪を償うかわりに、業を負って解放されるか。

手を汚さず、一生檻の中だけでの生活に甘んじるか。

かつて助けた命を奪いに、人魚は陸に上がった。


全体感想


ゲームの詳細

アンデルセン童話『人魚姫』を題材にした作品です。


内容は主人公である人魚姫が、「人間の国、アルメリヤの王子、バジル=エイデルワースを殺せ」という命令で陸に上がり、恋をする話です。

原作では人間の足を手に入れる代償として声を失いますが、このゲームでは足と引き換えに『好き』『愛してる』等の『愛の言葉』を口に出来なくなってしまうという代償と、『バジル=エイデルワースとキスをしたら、泡になって消える』という誓約をします。


キャラクターについて

攻略対象は、城ルート3人、海賊船ルート2人、街ルート2人の合計7人で、街ルートの1人以外は最初から攻略可能です。

ネタバレを考慮して、一番最後はロキ、そしてその前にバジルを攻略するのをオススメします。


システムについて

OPの選択肢により城ルート、海賊船ルート、街ルートに分岐し、その後キャラクターを選び、個別ルートは14話構成になっています。

各キャラクターには BEST END、GOOD END、MERRY BAD END、BAD END、ロキのみ HAPPY END があり、好感度や選択肢でエンディングが分岐し、サブキャラとのエンディングもあります。

スチルは各キャラ18枚から21枚あり、システム面はクイックセーブや選択肢ジャンプなど、いつも通りサクサク進めることが出来ました!


感想

このゲームの一番のポイントは、主人公が陸に上がるために払った代償が『愛の言葉』と『バジル=エイデルワースとキスをしたら、泡になって消える』ということだ思います。

どのキャラクターの時もそうですが、主人公は相手を好きになってもそれを伝えることが出来ないので、そこは原作で声を失うに近いものがあるなと思いながらプレイしました。

そして原作が悲恋ということもあり BAD END が多めでしたが、個人的には BAD END の方がしっくりきたように思います。


今回気になったのは、人魚と人間の恋、父親との確執など『魔女王』と同じような設定が多くあり、既視感を抱いてしまった点です。

もしかしたらそれほど気にならないのかもしれませんが、私の場合は直前にクリアしたというのもあり、あまりに同じような設定なので …… 。

そして私だけかもしれませんが、全く好きになれなかったキャラクターが特に重要だったということもあり、評価は少し低めにしました。


ですが、攻略対象は原作通りの王子から魔法使いまで幅広いので、『人魚姫』やファンタジー系の作品が好きな方にオススメです。

 


バジル=エイデルワース(CV:杉山紀彰)


キャラクター

人間の国、アルメリヤの王子。

人魚に執着しており、人魚を捕らえる政策に力を入れる。

指示するだけでなく自ら率先して行動したい性分。

外敵に冷たい反面、王子としての責任感は強く、国や国民のことをとても大切に思っている。


内容

バジルの意思で城の中に留まることになった主人公ですが、得体の知れない者を他人に任せる訳にはいかないと、なぜかバジル自ら監視役に。

さらにガウェインにも怪しまれてしまった主人公は、バジル暗殺ではなく、便宜上、妃の座を狙っていると思わせることにしますが、バジルは10年前にとある事故に遭い、その際に熱心に看病をした隣国の姫との婚約話があることをガウェインから聞かされます。

しかし主人公はバジルと一緒に街に出掛けたり、バジルの母が大切にしていた場所で過ごしたりし、2人の距離は徐々に縮まっていきます。

そんな中、年に一度開かれる舞踏会が終わり、バジルの部屋に呼ばれた主人公は、舞踏会で一緒に踊れなかったダンスをすることに。

バジルのリードは洗練されていて、目の前にいるバジルを暗殺するために海から上がったはずなのに、心臓が痛いほど高鳴ってしまいます。

するとバジルは主人公のことを抱き寄せ、ゆっくりと顔を近付けたと思ったら「おまえは、私のことを殺したいのだろう?」と言い出します。

主人公は一生懸命否定しますが、バジルは「おまえは私の命を狙っている。初めから気付いていた」と確信を持っているようで …… 。


感想

さすがにヒーローキャラは違いますね!

非の打ち所がないパーフェクトなキャラクターでした!!!


内容は、バジルが人魚に拘る理由と、主人公が払った代償について。

バジルは主人公と初めて出会った時から主人公のことを疑っていて、さらに主人公が人魚であればいいと思っていた。

そして人魚を探す目的は人魚の血ではなく、強いて言うなら本能的なもので、衝動的に人魚を捕獲しなければならないと思っています。

その後、バジルは主人公が人魚であると分かっても想いを伝えますが、主人公は人間の足を得るために代償を払っているので、それに答えることが出来ない …… という内容です。


もう少し詳しく書くと、バジルは10年前の嵐の日に事故に遭い、瀕死の状態だったバジルを助けたのが主人公で、その後からバジルは不死の力を得て、なぜか本能で人魚を求めるようになりますが、偶然拾った?主人公が来てから、人魚を探さなければという気持ちが弱まっていきます。

一方主人公は、まさかバジルが10年前の少年だとは思っていないので、バジルを暗殺するために『愛の言葉』を言えないことと『バジル=エイデルワースとキスをしたら、泡になって消える』という代償を払って人間の足を得て、陸に上がってきます。

バジルは王子でありながら国政を任されていて、国民のために一生懸命働く姿を見た主人公は、暗殺ではなく話し合いで解決出来ればと思いますが、結局バジルを暗殺しようとして失敗に終わり、そこでバジルが10年前の少年で不死であることが分かります。

その後、主人公は自分が10年前の人魚だと伝え、バジルは主人公への想いを告げますが、主人公はバジルのことを好きになっているけど、代償で『好き』という気持ちを伝えることが出来ないし、キスをしたら泡になって消えてしまうという展開でした。


他にもバジル編では海が黒くなった理由や、黒い海が青く見えるという『幻蒼病』についての謎も分かりますし、ロキやダンが重要で、国王ではなく王子であるバジルが国政を担っている理由など、ネタバレ要素も強いので、ラスト前(ロキの前)に攻略するのがいいかなと思います。


設定的にも予想通りですし先に他のキャラクターを攻略していたこともあり、バジルは主人公が10年前に助けた少年で不死だと分かった状態で攻略しましたが、まず一番最初に思ったことは『バジル=エイデルワースとキスをしたら、泡になって消える』という代償についてです。

他のキャラクターの時は『愛の言葉』を言えないだけなので、相手のことを好きだと伝えるために主人公からキスをするという流れなのですが、バジルの時はそれすら出来ない。

なので、どういう方法でお互いの気持ちを確認するのだろう?と思いながらストーリーを進めていきました。

これについてはプレイしてからのお楽しみということで、ここでは書きませんけど。


キャラクターとしてはイケメンで頭も良く主人公にベタ惚れな王子という完璧設定なので、好きな方が多いのではないでしょうか?

基本的に掴みどころのないクールなキャラクターなのですが、時折主人公に見せる笑顔が印象的ですし、話を進めるにつれて好感度が上がっていくことは間違いないと思います!

私は捻くれた性格なので、王道王子設定より小姑役?として登場するガウェインの方が好きでしたが。

そして杉山さんの声って色気あるなぁと改めて思いました!


原作では悲恋になりますが、このゲームではちゃんと幸せになれるので、安心してプレイして下さい!


  • オススメのセリフ

この間、海辺でおまえに話したこと …… 、あの言葉に偽りはない。

おまえに好きだと伝えたのも、私の気持ちを知ってほしかっただけなのだ。

やっと、おまえを見つけ出すことが出来たというのに …… 、おまえと友人になれたというのに、このままではあまりにも悲しい。

早く良くなってくれ、リディア。私はいつまでも、おまえのことを待っているから。

 


ガウェイン=ライツ(CV:野島健児)


キャラクター

王子の側近。

バジルに絶対的な忠誠を誓い、働き詰めの毎日を送る。

見た目よりも腕は立ち、暗殺者達から王子を守ってきた。

真面目で気難しい性格。


内容

バジルの意思で城の中に留まることになった主人公は、王子に危険をもたらす可能性がある存在だと疑われ、ガウェインが監視をすることに。

まずはガウェインの警戒を解くために主人公はめげずに話しかけ、次第にガウェインの態度も軟化し、主人公に向けて笑顔を見せるようになります。

そんなある日、体調を崩して咳き込んでいるガウェインを看病することになった主人公は、いつものガウェインとは違い、主人公に子守唄を強請ったり、手を繋いで眠る様子を見つめていると、胸が高鳴り、愛しさを感じてしまいます。

その後もガウェインは体調を崩すことが多くなり、心配した主人公はガリレオに病状を尋ねると、ガウェインは肺を患っていて、今の医療では治る見込みがなく、最近は手の打ちようがないほど悪化していると言います。

そのことを知った主人公は、ガウェインへの気持ちを自覚しますが、本来の目的であるバジル暗殺を実行しなければならなりません。

ガウェインのことが好きだという気持ちを諦め、バジルを殺害することを決意した主人公は、姉にもらった眠り薬を使って騎士を眠らせ、短剣を持ち、バジルの部屋へと入ろうとしますが、そこにガウェインが現れて …… 。


感想

1周目のオープニングの時点でガウェインは素敵そうだと予想していましたが、やはり私の大好きなタイプでした!

素直じゃないヤキモチ妬きなキャラクターで、CVが野島健児さん …… 最高です!!!


内容は、ガウェインの病気についてと、不老不死への考えについて。

ガウェインはずっとバジルを暗殺者などから守って来たので、最初から主人公のことを怪しいと疑っていていました。

しかし主人公と過ごすうちに少しずつ主人公と打ち解けるようになりますが、そんな時ガウェインが病気で先が長くないことが分かります。

ガウェインへの気持ちを自覚した主人公は、ガウェインを助けるために自分の血を与えることを考えますが、それにはまず自分が人魚だと打ち明けなければなりません。

以前、人間に血を与えて幽閉されていた主人公は、それが出来ないと分かっているので、ガウェインへの思いを封印し、バジル暗殺を決意します。

ですが、バジルを暗殺しようとしているところをガウェインに見つかってしまい、ガウェインを殺して予定通りバジル暗殺を実行するか、それともバジル暗殺を諦めるのか …… という展開です。


ガウェインは真面目で不器用で素直じゃない仕事人間なので、最初は主人公のことを終始疑っているのですが、主人公と出かけたり、話す機会が増えるうちに、立場上、主人公のことを疑わなければなりませんが、それでも主人公のことを信じたいと思うようになるんです。

ガウェイン編ではガウェインの態度の変化が分かりやすく描かれていて、そんな中病気のことがあるので、主人公のことを好きになっても思いは伝えず、さらに主人公が自分が人魚だと打ち明け、血を飲んで欲しいとお願いしても頑なに拒み続けます。

ですが、あることがきっかけで話が動いていくので、予想通りではありますが、個人的に好きな切ない展開でした。

もちろん BEST END ではガウェインは死なないので、安心してプレイして下さいね。


プレイすれば分かるのですが、ガウェインは分かりやすいツンデレで、それでいてかなりのヤキモチ妬きという面倒臭いけどとっても可愛いキャラクターでした!

野島健児さんCVのキャラクターの中では、もしかしたら『ときメモGS2』の赤城くんの次くらいに好きなキャラクターと言えるかもしれないので、QuinRoseが無くなってしまった現在、FDが発売されないことがとても悔まれます。


  • オススメのセリフ

私はもうすぐ命が尽きてしまう …… 。ですから、自分の気持ちを伝えることは出来ません。

これから先も生きてゆくあなたを、私が縛りつけるわけにはいきません。ですからどうか、私がいなくなっても幸せになってほしい。

どうか、あなたは幸せになってください。人魚としての問題も残っているでしょうが、王子を頼ればきっと助けてもらえます。

二度と暗殺などに手を染めず、あなたはあなたの道を進んでほしい。

 


ガリレオ=メランコリー(CV:羽多野渉)


キャラクター

宮廷医師。

対人関係が苦手で、基本的におどおどしている。

人に接しない分、自己研鑽に励んでいたせいで体格がいい。

不器用なだけで、根は優しい、中身と外見が一致しない男。


内容

城に留まることになった主人公の監視役になったガリレオは、医師としての腕は確かですが、対人関係が苦手なため、主人公が話しかけると驚いてしまいますが、医者としてのガリレオは、対人関係など関係なく患者に優しく接することが出来ます。

しかし主人公と過ごす時間が増えても、普段のガリレオは相変わらず挙動不審で恥ずかしがり屋な娘のような反応をするので、主人公はいつものガリレオの方が可愛くて一緒にいて楽しいと感じるようになり、不器用な優しさを持っているガリレオに次第に惹かれていきます。

やがてあることがきっかけで、主人公が人魚であることがガリレオにバレてしまいますが、ガリレオは「不死の謎が解けるまでずっと一緒にいてほしい」と言います。

ガリレオのことを好きになってしまった主人公は、もしその研究が終わったら海に帰るべきなのか、それとも残っていいのか、ガリレオにどうすればいいのか尋ねると「私は何も言わない」と言われてしまい、ガリレオの姿があまりにも他人事のようで主人公は傷ついてしまいます。


感想

直感的に好きそうなガウェインやエリアスを残そうと思って1番最初にガリレオを攻略しましたが、もっと後にすれば良かったかも!?

羽多野さんの不器用キャラも素敵でした。


内容は、普段のガリレオと宮廷医師としてのガリレオについて。

ガリレオは、主人公と出会った頃は主人公が近づくだけで部屋の端に寄り、話しかけると驚いてしまう程対人関係を苦手にしていましたが、いざ宮廷医師として患者の前に立つと、『何をしてもそつがない聡明で優秀なお医者さん』という一面を見せます。

そんなガリレオはバジル王子を不死から解放したいと思っていますが、人間が人魚を捕らえようとすることに対しては諸手を挙げて賛同している訳ではなく、宮廷医師という立場上、王子に逆らうことは出来ない。

なので、黒くなった海を元に戻す方法、黒い海が青く見えるという原因不明で治療法もない『幻蒼病』の研究などを担っています。


そんなガリレオと主人公が一緒に過ごすうちに、主人公はガリレオの優しさに惹かれていき、ガリレオも最初から主人公のことを人魚じゃないのかと疑っていますが、患者の手伝いを進んでする主人公のことが好きになります。

その後の展開は、人間と人魚の恋なので、色々問題が出て来るという展開です。


ガリレオは基本的におどおどしているのですが、自信をつけたいから筋トレをしたり、主人公のために一生懸命話そうとしたり、主人公を喜ばせようとしたりする姿はかなり可愛かったので、予想以上に楽しめました。

特にガリレオが主人公のことを好きになった後はコントのようで、お互い相手に喜んで欲しいと思っていると分かり真っ赤になったり、デートで主人公に喜んでもらおうとバジルたちに色々教えてもらったり、不器用な優しさがとても魅力的でした!

正直、見た目が好みではなかったということもあり、期待度は低めだったのですが、さすが羽多野さんCVのキャラクターという感じでした!


ただ、ガリレオ編では海が黒くなった理由や、幻蒼病についてなどは全く解決していないので、気になる方は気になるかもしれません。

QuinRose作品は、他のキャラを攻略すると謎が解ける設定が多いので、その辺りはスルーすれば問題ないと思います。


ガリレオは挙動不審ではありますが、優しくて不器用なキャラクターなので、大型犬タイプが好きな方にオススメです。

私はこういう不器用なワンコが大好きなので、1番最初に攻略したのは失敗だったかなと思ってしまった程、お気に入りになりました!


  • オススメのセリフ

リディア、おまえが誰を選び、どんな道を歩むのか、それはおまえの自由であり、おまえだけが決められることだ。

他人が強制することではなく、もちろん私もおまえに強制するつもりはない。私はおまえの意思を尊重する。

だが …… 、もし、もしもおまえが、ここに残ると …… 。もしもおまえが私を選んでくれたなら、私は …… 。

 


弥彦(CV:大川透)


キャラクター

遠い東の国・藍からやってきた海賊の頭。

誰も手に入れていないものを手に入れたいと願っており、人魚を手に入れるためにアルメリヤにやってきた。

性格は自信家で、奔放。

戦闘のときは冷酷だが、気に入った相手に対しては情に厚く、船員からは好かれている。


内容

バジルの情報を得るために、海で偶然出会った弥彦たち海賊の仲間に入れてもらった主人公。

その後、バジルたちと戦闘になった際に主人公はバジルを殺そうとしますが、そこに弥彦が現れ、主人公は戦場から撤退させられてしまいます。

そして弥彦にバジルを殺そうとしていた理由を尋ねられますが、ごまかし続けていると、弥彦は無関係の一般人に暴力を振るい、見ていられなくなった主人公は、自分が人魚だということ以外のバジルを殺さなければならない理由を話します。

それを聞いた弥彦は、主人公がバジルに近付く手助けをする代わりに、主人公は弥彦たちが人魚を捕獲する手助けをするという約束をします。

そんなある日、沖に出ていた弥彦たちは、少年の人魚を偶然発見し、網で退路を塞ぎながら大砲で追い詰めて人魚を捕らえようとします。

主人公はまだ幼い人魚なので捕まえないように訴えますが、弥彦は例の約束があるから手を出すなと聞く耳を持ちません。

困った主人公は、海に飛び込んでその人魚を助けますが、そのせいで弥彦に本当は人魚なんじゃないのか疑われてしまい …… 。


感想

「帰さない。あんたは、このまま俺の傍にいろ」の威力。

大川さんの声のこのセリフは、ぐはぁってなっちゃいました!


弥彦編の内容は、弥彦がバジルと人魚に執着する理由について。

実は弥彦は最初から主人公が人魚じゃないのかと疑っていたので、あえて船に乗せて主人公のことを観察していたんです。

そして弥彦は、バジルが人魚に執着しているので、バジルよりも先に人魚を捕らえようとしています。


いきなりネタバレを書いちゃいますが、弥彦はバジルのことを以前から知っていたんです。

しかし裏切られたと勘違いをし、バジルよりも先に人魚を捕らえようとしていた。

そんな時、主人公が現れたので、誰も手に入れたことがない人魚を手放したくないと考える、という展開です。


もう少し詳しく書きましょうか。

弥彦は藍の国の良家の生まれで、子供の頃にアルメリヤに留学していて、そこでバジルと仲良くなります。

しかし、ある事件が起き、バジルは人魚のおかげで助かったのに自分は片目を失ってしまったので、バジルと人魚に執着するようになります。

さらに弥彦は『誰も手に入れていないもの』『誰かがほしがっているもの』が欲しいタイプで、人魚である主人公はその両方を満たすものなので大切にし、一方主人公も決して善人と言えないけど根っからの悪人でもない弥彦の優しさに惹かれていくという訳です。

他にも、男性の人魚が人間の姿になって人間の女性と結ばれたという伝説が出てきますが、たぶんこれはあのキャラクターに関係していると思うので、弥彦編ではさらっと出てきただけでした。


で、正直に言いますが、大川さんの声は素敵だったのですが、弥彦はそんなに好みではありませんでした。

先に攻略した牡丹の方が展開も甘くて好みだったというのもありますが、俺様系ヤンデレというのがあまり好きではなかったからかもしれません。

キャラクターとしては、我侭ではありますが、海賊の頭だけあって頭の回転も早く頼りになる俺様系なので、素敵なことは素敵だと思いますが、何だろう …… 内容があっさりしていたからか、ドキドキする展開もあまりなく、予想通りに終わってしまったというのが感想です。


ということで、オススメというより弥彦が主人公に執着しているのが分かるセリフを選んでみました。

何度も言いますが、大川さんの声は素敵だっただけに残念です。


  • オススメのセリフ

あんたが何を考えていても、ここからは出さないからな …… 。どんなに従順でも、俺に逆らわなくても …… 、絶対に。

あんたの体も、髪も …… 。最後は、その身に流れる血の一滴までも。

全部、俺が食い尽くす。俺から逃げようなんて …… 、許さない。

 


牡丹(CV:柿原徹也)


キャラクター

弥彦の船に乗っている海賊。

剣の腕はかなりのもので、弥彦の右腕。無口で、冷静沈着。

戦闘員としては優秀すぎるほどだが、ときどきズレた発言をする。

こ馬鹿にしたような態度をとるものの弥彦のことは尊敬しており、傍で世話を焼いたりしている。


内容

バジルの情報を得るために、海で偶然出会った弥彦たち海賊の仲間に入れてもらった主人公。

人魚なので何も知らない主人公は、牡丹と一緒に料理をしたり、色々なことを教わったり、2人は少しずつ一緒に過ごす時間が増え、主人公がバジル殺害に失敗した際も、牡丹は主人公をガウェインの攻撃から庇い、怪我を負う程の仲になります。

そんなある日、自分自身を悪く言われても怒らない牡丹が、弥彦のことを悪く言われ、感情的になっているのを目撃します。

牡丹は口数も少なく無愛想であるため、他人から誤解を受けやすい人ですが、誰よりも弥彦のことを考えていて、弥彦もそれを知っている …… 。

その絆が羨ましいと言うと、牡丹は「あなたは、俺のことを理解してくれたんですね …… 」と笑い、頬を赤くします。

一緒に海賊船で過ごしているうちに、牡丹の態度が柔らかくなっていき、いつの間にか主人公のことを皮肉めいて『お嬢様』と呼ばなくなっていた。

牡丹の柔らかな笑みに、主人公の心は温かくなり、一度牡丹という人を知ってしまうと、隣にいることが心地よくなってしまいます。


感想

ガリレオの次に牡丹を攻略したのですが、牡丹編は胸焼けしそうなほど糖度高めの内容でした ―――!

もう、終盤は甘すぎて鳥肌が立っちゃった程です!


まず牡丹編の攻略が大変だったことを書いてもいいですか?

私は基本的に好感度が低いエンディングから発生させていき、選択肢での分岐やエンディング条件を探っていくタイプなんです。

で、今回もいつも通りBAD ENDから回収しようとプレイしていたら、まずBAD END2が発生したんです。

なのでBAD END1があるのが分かり、選択肢を試して何とか発生させられたので、今度はそこからGOOD ENDに分岐しようと思ったのですが、何度やってもまたBAD END2になってしまうんです。

本当はBEST ENDより好感度が1つ低い時点で分岐すれば簡単に発生させられるのですが、なるべく同じところを何度もプレイしなくていいように分岐させようとしたら、好感度が4段階まで届かなくてBAD END2になってしまうということが分かり、結局BEST ENDチャートから分岐させるしか方法がありませんでした。

こういう条件を探るのも攻略サイトの醍醐味ではありますが、牡丹編は予想以上に攻略に時間が掛かってしまい、疲れてしまいました。


ここからは牡丹編のレビューに戻りますが、内容は弥彦と牡丹の関係、そして牡丹の本当の性格について。

弥彦と牡丹は幼馴染で、弥彦は藍の国では身分が高く、牡丹は代々弥彦の家に従う家系で、生まれた時から主従関係だった。

そして口数が少なく無愛想な牡丹は、誤解されることが多いけど、本当は優しくて面倒見がいい青年でした。


簡単に言うと、牡丹は自由がなく厳しく育てられ、まるで鳥かごの中にいるような生活でしたが、ある日、弥彦の家の家宝が盗まれ、犯人は牡丹だと疑われてしまい、どんなに濡れ衣だと弁明しても聞き入れてもらえず、罰せられる前に弥彦が助け、二人で家を出て今に至ります。

他にも牡丹がいつの間にか主人公のことを『お嬢様』と呼ばなくなり、主人公に向けて優しい笑みを浮かべるようになるので、主人公は早くバジルを殺さなくてはならないけど、牡丹の傍にいることが心地よくなってしまいます。

そんな時、主人公が人魚だということが牡丹にバレてしまい、主人公の目的や海賊に潜り込んだ理由を尋ねられ …… という展開です。


牡丹は基本的に口数は少ないですが、主人公に自分のことを理解してもらえたと思った後は笑顔を見せるようになり、さらに主人公のことを守ろうとしたり、弥彦にヤキモチを妬いたり、とても可愛い忠犬のようなキャラクターでした。

最初は無口で表情も変えない牡丹が、初めて笑顔を見せた時の破壊力は満点で、そこからは嬉しそうにする頻度も増え、終盤は甘々な展開に!

もしこれから牡丹を攻略される方は、主人公への呼び方が『お嬢様』から変わる瞬間にも注目してプレイするといいかもしれません。


とにかく笑顔が可愛くて癒された牡丹編ですが、あえて気になったところを選ぶとすれば、2人が初めて身体を重ねるシーンのスチルでしょうか?

現実的な感想で申し訳ないのですが、牡丹の爪が長く尖って魔女の爪みたいだったので、あれだと主人公が怪我しちゃうだろうなと思ってしまったくらいで、そこが無ければキャラクター的にも内容的にも大満足だったと思います。


以下のセリフ以外で「あなたのことは、俺が絶対に守ります。だから …… 、ずっと傍にいてください」もオススメなので、是非、柿原さんの声で脳内再生してみて下さい!


  • オススメのセリフ

あなたが、俺のことを理解してくれたんですね …… 。

…… っ、照れていません。何を言っているのですか、おかしな人ですね。

だから、違うと言っているでしょう。見間違いですよ。

…… 意味が分かりません。俺が嬉しいかはともかく、あなたが喜ぶ意味がまったく理解できません。

 


エリアス=ミスト(CV:近藤隆)


キャラクター

主人公の幼馴染。

人魚だが、主人公を手伝うために代償を払い、地上に上がってきた。

主人公にはどこまでも優しく、笑顔で接する。

他の者に対しては、基本的に関心がなく態度も冷たい。


内容

主人公を追って人間の足を得たエリアスと宿屋に住み込みで働くことになった主人公。

仕事の合間にバジル暗殺について考えますが、なかなかいい方法も見つからず、焦りが募るばかり。

慣れない姿と知らない土地で不安になる主人公ですが、優しくて頼り甲斐のあるエリアスと一緒にいると、それだけで安心出来ます。

そんなある日、バジル暗殺について困った2人は、ロキの元を訪ね「王子を殺せるようにしてほしい」と頼みます。

魔法を使うにはロキに代償を払わなければなりませんが、エリアスは主人公の代わりに魔法の代償を差し出すことに。

いつも過保護で心配性で優しすぎるエリアスは、主人公が代償のことを尋ねても答えようとしません。

今回ばかりは優しいで済まされないので、どうにかしてエリアスの考えを変えることは出来ないのかと考えていると、エリアスは主人公のおでこにキスをし「代償を貰ったんだ、今、君から。 …… 僕が代償を支払うことへの、代償をね。 …… 僕は、これを貰えば十分だ」と寂しそうに囁き …… 。



感想

エリアス。 何て良い人(人魚)なんだ!!!

一歩間違えるとストーカーっぽい執着心MAXのキャラクターですが、こういうキャラクター大好きです!


エリアス編の内容は、エリアスが主人公に尽くす理由と、魔法の代償について。

実はエリアスは主人公が10年間幽閉されていたことに関わっていて、だから大好きな主人公に幸せになって欲しいと自分を犠牲にします。


もう少し詳しく書くと、主人公と幼馴染であるエリアスは、貴族出身ではありますが、貴族の父と平民出身の母との間の子で、先に父が亡くなってしまったことで一族の面汚しと言われて育って来ました。

なので、一族のいいなりで主人公に近付き、嫌われないように仲良くしていたことを正直に話した時に「一緒にいて楽しいならそれでいい」と言ってくれた主人公に救われたと思っています。

そんなある日、嵐の海を泳いでいく主人公を心配したエリアスは、主人公が人間の男の子を助け、血を与えているところを目撃します。

どうしたらいいのか分からなくなったエリアスは、その場から逃げ出し、動転していたこともあり、自分が見たものを親族に全て喋ってしまいます。

なので主人公が幽閉された決定的な理由は、エリアスにあった …… という話です。


私の場合は先に何人かクリアしていたこともあり、主人公が他のキャラを好きになった際にエリアスが泡になって消えていくのを知っていたので、エリアス攻略前から切なそうな内容だとは分かっていたんです。

で、このゲームの主人公は人魚なので、人間の足を得るために代償を払っているのが重要で、主人公の代償は、『愛の言葉』を言えないことと、『バジルとキスすると泡になって消えてしまう』というもの。

エリアスの代償は『愛の言葉』と『ある期限までに主人公と結ばれなかったら泡になって消えてしまう』という2つ。

エリアス編では、ロキがエリアスを消そうとしていることが丸わかりのヒール設定で、エリアスは主人公のことが好きだけど『愛の言葉』を失っているので気持ちを伝えられない。

さらに主人公の代わりにバジル暗殺の魔法の代償を払っているので、このままだと泡になって消えてしまうという、お互いの気持ちよりストーリーに重きを置いた切ない内容でした。


キャラクターとしては、エリアスはストーカー気質で極度のヤキモチ妬きという性格ですが、自己犠牲の意識が強く、主人公のためなら何だって出来るタイプで、逆に主人公以外はどうでもいいと思っているので主人公以外には冷酷という部分もありますが、とにかくエリアスには幸せになって欲しいというのが一番の感想です。

先に誰かをクリアしているとストーリーの先が読めてしまうという点は微妙でしたし、代償があるので甘いセリフは少ないかもしれませんが、主人公のことが大好きだというのが分かりやすいキャラクターだと思うので、粘着質系ヤンデレが好きな方にオススメです。


  • オススメのセリフ

君は、自分のために誰かを殺すことをためらうけど、僕は、君のためなら誰だって殺せる。

君のためなら、君だって、殺せる。

僕はね、リディア。君以外の存在なんて、みんなどうでもいい。だからね、誰だって殺せるんだ。

…… 僕は、君の幸せを願っている。だから、リディア。 …… 僕は、君のために、 …… 僕を殺すよ。

 


ロキ=ジルフォード(CV:豊永利行)


キャラクター

自称、魔法使い。

液体を媒介として、不思議な能力を使う。

いつも明るいお調子者だが、腹の底で何を考えているのか分からない、食えない男。

主人公とエリアスに人間の足を与えた。


内容

主人公がエリアスと共に宿屋で働くことになり、主人公は宿屋を訪れるロキの悪戯に何度も振り回されてしまいます。

そしてロキは何でも『魔法使いだから』で済ませる謎が多い部分があり、主人公はいつの間にかロキのことを理解したいと思うようになります。

そんなある満月の日、主人公は人魚から人間になっているところを、偶然ある兄弟に目撃され、捕まってしまいます。

主人公は逃げようと持っていた短剣で兄の腕を切りつけると、気が動転した兄は人魚の血を飲もうと主人公の腕に歯を立て血を吸うと、突然倒れ、苦しそうに呻き動かなくなってしまいます。

その様子を見ていた弟は「あんたが、兄貴を殺したんだろ …… 」と激しい憎悪を滲み出し、主人公を殺そうとします。

主人公は急いで逃げると、そこにロキが現れ、様子を見たロキは主人公の目を塞ぐと、男の呻き声が聞こえ、ロキは「俺 …… 、おまえが人間に触れられるなんて嫌だ。人間になんか渡さない …… 、人魚にも、絶対に …… 」と主人公を抱きしめ、呪詛のように呟き …… 。


感想

ロキ編 …… ハッキリ言って全然好みじゃありませんでした。

可哀想なキャラではあるんですが、たぶん、他のキャラクターの時からあまり好きじゃなかったのも影響していると思います。


まずロキは2人以上クリア済の場合攻略可能なのですが、真相編であるHAPPY ENDは全キャラクリア後のみ発生させられるので、一番最後に攻略するのをオススメします。

で、バジル編で既に分かっていたことですが、ロキとダンは以前からの付き合いがあり、『魔法使い』であるロキが歳を取らない理由も関わっていて、他にも『内容』のところに書いた、不老不死になるはずの人魚の血を飲んだ人間が死んでしまうのにも理由がありました。

そして個人的に最初からおかしいなと思っていた、王が主人公に陸に上がって海が黒くなった原因を突き止めろと命じたのにも理由があり、ロキが頑なに人間を嫌う理由など、ロキと主人公との恋愛というより、この作品の一連の真実が分かる内容になっていました。


実はロキには未来を見ることが出来る能力があるので、人魚を捕獲しようとするバジルのことを嫌い、主人公が自分にとって大切な存在になることが分かっていたんです。

だから主人公が陸に上がるために自分を頼って来ることも事前に分かっていたので、主人公が他の人に愛を囁いて欲しくないから代償として『愛の言葉』を言えないようにし、エリアスに対しての代償があのような内容だったり、バジルの場合は『キスをしたら、泡になって消える』というものだったんです。

そしてロキには人間に裏切られ利用され、逃げるように海の中で生活していた過去があるので、人間のことを嫌い、そしてある理由により人魚のことも嫌っていたという話でした。


で、最初にも書いたのですが、正直ロキは好きになれないまま終わってしまいました。

可哀想なキャラクターではありますし、主人公のことが好きなのは分かりますが、個人的には他のキャラクター攻略時のロキのイメージが悪く、それがロキ編になっても払拭しきれず、さらに主人公への悪戯など序盤はイライラさせられてしまい、主人公がロキに惹かれていくというのを全く理解することが出来なかったんです。

挙げ句の果てに、途中でバジルが出てきた時はバジルの方が素敵だったので、バジルが主人公に惹かれればいいのにと思ってしまった程でした。


終盤は駆け足で真相を語る展開になっていたので、個人的にはあまりドキドキする展開もありませんでしたが、豊永さんが攻略対象のCVというのはテニプリ以来だったので、そういう意味では嬉しかったです!

ロキ編は個別ルートというより真相ルートだと割り切ってプレイすると、もっと楽しめたのかもしれません。


  • オススメのセリフ

俺は善人じゃないから、おまえのためじゃないと死んでやれない。

おまえ、青い海が好きなんだろう?

海が青くなったら皆喜ぶよ。皆が喜ぶんだ。おまえの姉さんも、両親も、皆さ。

多分今決めないと、おまえは殺せなくなるからさ。 …… それで後悔されるのは嫌だからさ。だから、決めて。

俺のことは気にしなくていいよ。俺はおまえが幸せになってくれれば、それが一番いいからさ。


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