ネタバレレビュー
Written by madoka
※セリフやイベント等のネタバレが含まれますので、読まれる際は注意して下さい。
ストーリー
父を亡くし、母子家庭で育った主人公。
その母親も亡くなり独り身となった主人公の前に、父方の祖母の知人と名乗る1人の男性が現れる。
それは、かつて祖母の家で出会った妖狐だった。
引き取り手がない主人公はその妖狐と一緒に暮らすため、引っ越すことに ――― 。
引っ越した先にいたのは、7歳になる子どもと、主人公と同い年くらいの双子の兄弟。
彼らと住むことになった主人公は、妖狐の営んでいるごはん屋さんを手伝う事になり …… 。
主人公は、その村で知り合った同級生やあやかし達と交流を深めて行くうちに、恋に落ちて行く。
甘く、切ない、不思議な恋の物語と、あたたかくて、おいしいごはん。
――― 主人公とあやかし達の、おいしくて不思議な物語が始まる。
全体感想
ゲームの詳細
常連の方々が口を揃えてオススメして下さった通り、涙なしには語れない、心温まる作品でした。
このゲームをプレイされる時は、ハンカチやティッシュを準備することをオススメします。
内容は、独り身になってしまった主人公が、子供の頃に過ごした人間とあやかしが共存する紅葉村で妖狐のあやかしと新しい生活を始める話です。
主人公はその村で知り合ったあやかしや同級生たちと過ごすうちに、恋に落ちていくという展開です。
ゲームの詳細ですが、まず最初は少女時代編をプレイし、そこで選択した内容により人間編とあやかし編に分岐します。
人間編は内気な性格の主人公、あやかし編は快活な性格の主人公になり、攻略対象も変わります。
攻略対象は人間編3人、あやかし編3人の6人で、どちらも8月から12月の選択肢により個別の章に分岐します。
個別の章は3月までで、エンディングはBEST END、GOOD END、悲恋ENDの3種類(1人だけGOOD ENDと悲恋ENDの2種類)、あるキャラクターを攻略した後にBEST ENDの内容が変わったり、そこで初めてBEST ENDが発生する場合もあります。
システムについて
システム面は2周目以降少女時代編をスキップ出来たり快適なのですが、毎回セーブ画面でシステムデータもセーブするかどうか聞かれるのが地味に面倒でした。
私の場合は、攻略ページに記載するためにスチルが出る度にセーブしてどの場所かチェックしながらプレイしていたので、面倒に感じてしまったのかもしれません。
逆に言えば上書きしなければ前の状態からプレイ出来て便利なのかもしれませんが、このゲームは全キャラをクリアするのと周回プレイで全てが分かるようになっているので、自動的にセーブされる仕様だともっと良かったかなと思います。
それと毎回プレイする毎に共通ルートのセリフがほんの少しだけ変化するのですが、本当に少しなので、未読部分までジャンプ出来ればより快適だったと思います。
感想
一番気になったことは、物語のメインとなる内容が、ある作品のオマージュかと思ってしまうくらい似ていると思ってしまったことです。
これについては個別の感想の所に記載していますが、序盤から気付く部分が出てきてしまい、その点がとても残念でした。
それでも、あるキャラクターのルートでは号泣してしまったので、分かっていても十分楽しむことが出来ました。
と色々言ってしまいましたが、『おいしいごはん食べれば、みんな“幸せ”』というコンセプトは素敵でしたし、PC版のファンディスクが発売されているので、移植された際は絶対にプレイしたいと思う程の名作です。
心温まる、そして色々な意味で涙してしまう、そんな作品だと思うので、まだプレイしたことがない方は是非手に取って頂きたいです!
※ネタバレを考慮して 花蘇芳 → 犬嶌謡 → 芹ヶ野真夏 → 伊吹萩之介 → 犬嶌詠 → 木邑浅葱 の順に攻略するのをオススメします。
犬嶌謡(CV:下野紘)
キャラクター
やんちゃな狛犬さん。詠の、双子の兄。
攻撃的な性格をしており、とにかく口が悪い。
言い方はきついが、相手の事を思って言っているので悪気はない。
あやかし達の兄貴分なので、あやかしと仲が良い。
内容
ある日の昼休み、主人公は謡たちとお昼を食べに行こうとすると、クラスの女子から作りすぎたから食べて欲しいとクッキーを渡されます。
主人公は謡たちとクッキーを食べたことを彼女に伝えると、翌日から毎日お菓子を作って来てくれるようになり、いつしか空き教室でお弁当を食べた後、みんなで彼女のお菓子を食べるのが日課になっていました。
主人公は彼女と友達になれるかもと思い、いつもお菓子を貰っているお礼として初めてお菓子作りに挑戦し、それを渡すことにしますが、彼女が謡にお菓子を渡すところを偶然目撃してしまった主人公は、彼女が自分と仲良くしようとしたのは謡のためで、謡のことが好きだから話しかけるチャンスが欲しかっただけだとショックを受けてしまいます。
そして彼女の気持ちに気付いていない謡は、お菓子を渡せたかどうか心配しますが、主人公は謡の言葉にイライラしケンカになってしまい …… 。
感想
噂通り、素直じゃない純情キャラクターと下野さんの組み合わせは鉄板ですね!
「オレには、これだけお前に近づいていい権利があるはずだ」って。
そして唐揚げが出てきた時に笑ってしまいました!
内容は、謡と詠が片目になってしまった理由とその影響がメインで、他には主人公が自分と違い謡がみんなに囲まれていることに嫉妬し卑屈になってしまうというものでした。
謡と詠は紅葉神社の狛犬で、神様と一緒にずっと人間を守ってきたけど、人間の子どもにいたずらされて2人は片目の狛犬になってしまった。
だから詠は人間を嫌いなってしまい、謡も人間は好きじゃないけど、人がいっぱいの神社を見てると昔を思い出してほっとするという謡の心の葛藤が印象的でした。
そしてもともと殻に篭りがちの主人公が謡の言葉で卑屈な性格から前向きになって来たと思ったら、クラスの女子が謡のことを好きになり、自分は利用されただけだと知った後からの展開は、予想通りではありましたがそれでも切なくさせられました。
ネタバレ率が低いと教わったので謡を2番目に攻略しましたが、凄く可愛くて格好良い狛犬でした。
謡の場合は主人公の性格が内気な設定なので、吟さんの命令で主人公の護衛役となった謡は、主人公の性格にイライラしてしまうんです。
でも結局主人公が前向きになるように更生してあげるところは、狛犬という人間に寄り添った存在なので、人間のことを嫌いに慣れずにいるのかなと感じました。
人間に酷いことをされても人間のことを嫌いになれない狛犬という設定は凄く良かったと思いますし、謡は口は悪くても主人公のことが大好きだし、互いに意識し過ぎて話しかけ辛くなってしまうという純情な2人なので、プレイしていてほのぼのしちゃいました。
最初に攻略した時はあっさりしたエンディングという印象でしたが、追加されるエンディングを見ると謡の照れっぷりがとっても可愛らしいので、主人公が積極的になるのも分かるなあと思ってしまいました。
口が悪いけど照れ屋で可愛いキャラクターなので、幸せなエンディングになってくれて良かったです!
- オススメのセリフ
勝手に妙な事考えて、心配してんじゃねーよ。確かに …… ニンゲンどもと慣れ合う事は、嫌いじゃねーけど …… 。
でも、学校のやつらとお前は違うだろ。オレはお前のこと、 …… それなりに気に入ってるんだ。
お前と過ごす毎日も心地がいいと思ってる。オレだって …… お前から離れたくない。
犬嶌詠(CV:梶裕貴)
キャラクター
沈着冷静な狛犬さん。謡の、双子の弟。
人間が大嫌いで、なるべくなら近づきたくないと思っている。
とても冷たい性格をしていて、感情がほとんどない。大のめんどくさがり屋。
詩を書くのが好きで、詠が書いた詩を謡が唄う。
知識を蓄えるのが好きで、よく本を読んでいる。
内容
ある日、主人公と詠は桜の木を見に紅葉山へと向かい、主人公が桜の幹に触れたその時、どこからか不快な視線を感じます。
危険を察知した詠は、急いで主人公と山を降りますが、今度は社の方から変な気配がすることに気づきます。
神様が危ないからとそっと様子を確認に行くと、そこには紅蓮という名の天狗がいて、天狗は昔から人間の嫁を取り子孫を残してきたので、紅蓮はあやかしが見える主人公のことを気に入り、嫁にしたいと神様に話しているところでした。
もちろん主人公は断りますが、紅蓮はその日から主人公の前によく現れるようになり、段々とその頻度が増していき、詠が主人公を守ってくれるとはいえ、少しずつ紅蓮は苛立ちを募らせていきました。
困った主人公は紅蓮に諦めてくれる方法を尋ねると「どうしても嫁になりたくないと言うなら、別の女を俺に差し出せ」と言い出し …… 。
感想
謡と詠なら私は断然詠派でした! 詠のツンデレキャラっぷりと心の脆さが凄く良かったです!
詠編の内容は詠が人間に冷たい態度をとる理由と、『内容』のところに書いた紅蓮の一件についてです。
詠は昔から人間のことが大好きで、謡と一緒に狛犬として人間を守っていたけど、時と共に人間の信仰心も薄れ、だんだんと人間が訪れなくなり、さらには心ない子供たちが謡と詠に向かって石を投げ、2人は片方の目を失ってしまいます。
一生懸命人間を守ってきたのに酷いことをする人間に失望してしまった詠は、人間のことが大好きだからこそ、傷つき孤独に耐えきれず、自分の心を守るために人間を嫌いになったという話でした。
紅蓮の方の内容は、主人公は詠に気持ちを伝えたけど、詠やみんなに迷惑がかかるなら自分が犠牲になった方がいいと考え、一方詠は主人公のことを好きだけど素直になることが出来ず、主人公のことを紅蓮から守ることできっかけを掴むという、こちらは分かりやすい展開でした。
詠編の主人公は快活なので、詠は最初、主人公が他人の触れられたくない部分にずけずけと入ってくることろが好きじゃなく、「なんでお前らは、誰かと一緒にいたがる?1人の方がずっと楽だろ。だからニンゲンを見てるとイラつくんだ。ベタベタつるんで、群れて …… 」と言っていて、クリスマスの夜に主人公と詠はケンカをしてしまい、その後から少しずつ2人の距離が縮まっていくんです。
一緒に初日の出を見に行った時に詠がぎこちなくも主人公を抱き寄せるシーンは、ニヤニヤが止まりませんでした。
でも素直になれない詠は、謡と主人公が言い合いをしているのを見ているだけで腹が立ったり、紅蓮が主人公のことを気に入った時も、主人公のことを諦めて欲しいから主人公のことを『じゃじゃ馬』だと説明する辺りが、素直じゃないけど分かりやすくてとても可愛く感じました!
そして一番の見所は、主人公が詠と村のみんなを守るために、紅蓮の嫁になろうと決意する場面です!
この後の展開は梶さんの感情がこもった演技に鳥肌が立ち、絶対に見て欲しいシーンです!!!
詠は精神的に脆い部分があるので、母性本能をくすぐるタイプがお好きな方なら気にいると思いますよ!
「 …… 俺、ニンゲンになりたい。あやかしなんかじゃなくて、ニンゲンになりたい」というセリフの時、私は泣かずにはいられませんでした。
- オススメのセリフ
勝手に1人で決めるな。勝手に俺が弱いって決めつけるな …… !勝手に …… いなくなるな!
だからって …… お前が傷付くのは嫌だ。
守ろうだなんて考えるな。お前は …… 俺が守ってやるから。守らせろよ。 …… 俺は、守られたくなんてない。
伊吹萩之介(CV:水島大宙)
キャラクター
あやかしに興味津々な神主の息子さん。
積極的で、何事にもぐいぐいとくる男の子。
あやかしが大好きで調べている割には、あやかしの事をよく分かっていない。
主人公と同じように、人と一緒にごはんを食べるのが苦手。
内容
萩之介に頼まれ、年末年始に紅葉神社で巫女のバイトをすることになった主人公は、萩之介の助言もあり、毎日頑張って働いていました。
ある日主人公は萩之介と休憩をしていると、萩之介は「あやかしと友達になりたい」と言い、主人公は自分はあやかしが見えると教えようか、そして萩之介の友達にあやかしがいると教えたくなってしまいます。
しかし自分には見えて、萩之介には見えない、そのせいでせっかく出来た友達関係が崩れてしまうことは怖いし、萩之介の笑顔を見ていると胸がきゅっと締め付けられるので、あやかしの事や自分の事を今は話せないけど、萩之介との時間を大切にしたいと思うようになります。
そしてバイトが無事終わった帰り道、主人公は萩之介に、萩之介の父親と萩之介がよそよそしい理由を尋ねると、ケンカした訳じゃなく母親が亡くなってからずっとこうだと教えられ、そして萩之介は「 …… 俺の母さん、あやかしだったかもしれないんだ」と言い出し …… 。
感想
高校生同士の恋愛は良いですね!
お互い意識しあって、少しずつ距離が近づいて …… 萩之介くん意外と腹黒くて良い子じゃないですか。
内容は、萩之介くんがあやかしと友達になりたい理由と、人とごはんを食べるのが苦手になった理由についてです。
萩之介くんは、子どもの頃に母親を事故で亡くしていて、その死について不自然なところがあったので、あやかしのせいじゃないかと思っています。
だからあやかしと友達になって母の死の真相を知りたいのと、母が死んだことで家族と距離が出来てしまい、誰かとごはんを食べるのが苦手になってしまったという話でした。
萩之介くんが幼い頃、萩之介くんの母親は妊娠していて、その子が生まれたら『桜』という名前を付けると決めていたけど事故で死んでしまった。
そして母の遺体が忽然と消えてしまったので、小さな萩之介くんは来る日も母を待ち続け、2ヶ月経ったある日、母親を探しに出かけた。
萩之介くんは森の中に入り、凍えて意識を失ってしまいますが、目が覚めると森の入り口に寝転がっていて、隣には母親が横たわっていた。
母親の遺体は2ヶ月間どこにあったのか、なぜ遺体が生前のように綺麗なままだったのか、そしてなぜ母親のお腹から妹がいなくなっていたのか。
だから萩之介くんはあやかしと友達になって、母親の死の真相を知りたいという訳です。
萩之介編の主人公は内気な性格なので、萩之介くんは人見知りの激しい主人公に最初から一生懸命話しかける、明るくて面倒見の良いタイプでした。
そんな萩之介くんと接するうちに、主人公は少しずつ心を開き、さらっとドキドキするセリフを言う萩之介くんを意識するようになります。
萩之介くんは最初は主人公のことを女の子として意識していなかったけど、2人でデートをしたことがきっかけで主人公を意識するようになり、そこからはとっても可愛い2人でした。
そして萩之介くん編では謡、詠、蘇芳が大活躍で、主人公が「萩之介のことが気になるの」と言ったことによって、勘違いした3人が萩之介くんと主人公をくっつけようとするところが笑えて好きでした。
でも実は一番印象に残ったのは、BEST END を発生させられなくて、何回も萩之介くんの章を攻略したことです。
今までのキャラは好感度を調整すればよかったのですが、攻略制限が掛かっているとは知らず、色々な選択肢を試して、本当に苦労しました。
だから BEST END の幸せそうな2人の姿を見た時は、感慨深く、凄く素敵なエンディングだと思うことが出来ました。
萩之介編はギャグ要素が強いですが、高校生同士の飾らない恋愛がとても良かったです!
- オススメのセリフ
俺、昔から子ども体温だーって笑われてたんだけど …… 。今は、子ども体温で良かったかも。
だって、俺の手があったかいおかげで、○○の冷たい手を温めてあげる事が出来るだろ。
どう?手、もう冷たくない?良かった …… !俺は大丈夫。全然寒くないから。
違うって、本当に寒くないんだ。○○と一緒にいるから、いつも以上にあったかいんだよ。
花蘇芳(CV:杉山紀彰)
キャラクター
高校生に化けた人間嫌いの猫又さん。
良く言えばマイペース、悪く言えばぶっ飛んだ性格をしている。
人間嫌いだが、本当は友達が欲しいと思っている天邪鬼。
いつも一人で日向ぼっこをしている。
極度の寒がりだが、猫舌なので熱いものが食べられない。
内容
3学期に入り、主人公は空き教室で趣味の読書に勤しみ、その横で蘇芳が眠るという日が多くなりました。
2人の様子を知っていたクラスメイトに蘇芳との関係を指摘された主人公は、恥ずかしくなり教室を飛び出すと、3年の男子生徒とぶつかり、本を落としてしまいます。
するとその先輩も主人公と同じ本を読んでいることが分かり、先輩と主人公はお互いのオススメの本を教え合う読書仲間になります。
そんな先輩との様子を揶揄う萩之介たちですが、蘇芳はむくれた表情で、なぜか機嫌が悪くなってしまいます。
主人公と蘇芳との関係がいつの間にかギクシャクしてしまったある日、放課後に先輩と古本屋に行く事になった主人公は、急いで先輩のもとへ向かいますが、主人公の様子が明らかにおかしいと感じた謡は詠、萩之介、蘇芳と共に主人公を尾行することにし …… 。
感想
「ハレンチ」って言い方、久しぶりに聞きましたが、可愛くないですか?
そして猫を飼ったことがないので分かりませんが、こんな感じなら凄く可愛くて溺愛するのも分かります!
内容は蘇芳が猫又になった理由と、蘇芳が山の中で一人で暮らしている理由についてでした。
蘇芳はもともと普通の飼い猫だったけど、大事にされていたから『力』がついて猫又になった。
蘇芳と会話出来るようになったことを喜んだ飼い主ですが、あやかしと一緒にいるのを見られてしまったため、村を出ることになってしまった。
2人は山の中で暮らし始めますが、次第に飼い主の心は荒れていき、辛くなった蘇芳は家を飛び出し、戻った時には飼い主はあやかしに襲われて死んでいた。
大好きな飼い主を一人で死なせてしまった蘇芳はそのことを後悔していて、本当は人間とまた一緒にいたいけど …… という内容でした。
蘇芳は猫又のためか素直じゃない寂しがり屋の甘えん坊なので、自分の気持ちをストレートに表現することはあまりなく、それを主人公が察知して声を掛けたりしていました。
蘇芳は蘇芳で主人公のことが大好きなので、主人公の傍で眠ったり、主人公を一人にしないようにしたり、主人公の歩くスピードの合わせたのに「歩くのに疲れただけ」と言ったり、素直じゃないけどある意味分かりやすいタイプでした。
特に私が好きだったのは、蘇芳が主人公の何気ない一言で主人公が風邪をひいて死んでしまうと心配するシーンです。
この時点で主人公は蘇芳が飼い主を死なせてしまった過去があることを知らないので、蘇芳は主人公が軽く言ってしまった言葉に反応し、主人公が死んでしまうのを恐れ、わざわざゴミ捨て場から傘を拾ってきてくれるんです!!!
素直じゃなキャラクターの優しさは反則なので、このシーンは本当にオススメです。
他にも先輩が出てきた辺りから主人公が自分以外と楽しく会話するのに嫉妬し、機嫌が悪くなるという展開も良かったです!
私は猫を飼ったことがありませんが、かまい過ぎてもかまわな過ぎても怒ってしまうイメージなので、寂しがり屋の甘えん坊という蘇芳はイメージ通りでした。
他のゲームでも猫又のキャラクターを攻略しましたが、同じ猫又でもこちらの方がより猫っぽいので、気まぐれな天邪鬼タイプが好きな方にオススメです。
同じく杉山さんCVの某乙女ゲーシリーズのキャラクターに似ている気がするのはご愛嬌で。
- オススメのセリフ
…… お前は、おれのことを …… 一番だと言わない。
おれを一番だと言わないお前のことが、嫌いだ。おれ以外のやつらと話すお前が …… 嫌いだ。
おれを1人にしないと言ったくせに、お前はおれから離れて、他人のところへ行く …… 。
おれは …… そういう、うそつきなお前が …… 大嫌いだ。
芹ヶ野真夏(CV:興津和幸)
キャラクター
のんびり屋な食材屋さん。
“ぽんぽこりん”に食材を運ぶ、地元の商店の息子。
食材を運んだ後に、吟のお茶を飲みながらだらだら話すのを楽しみにしている。
妙齢なので、近所のおじいさんおばあさんに見合いを勧められ、困っている。
話を聞くのが上手で、よくあやかし達の相談相手になっている。
内容
主人公は真夏の優しさや真っ直ぐさに触れるうちに、次第に真夏のことを意識するようになりますが、真夏は「ずっと昔に好きになった人がいて、今も、その人が好きだから」と言います。
ですが真夏は主人公と手を繋いだり、2人は付かず離れずの不思議な距離感で、主人公はドキドキするけど真夏の気持ちがわからないでいました。
そしてその頃から主人公は不思議な夢を頻繁に見るようになり、ぐっすり眠れないので、少しずつ疲れが溜まっていくような気がしていました。
2月のある日、主人公は真夏にチョコが食べられるか聞きますが「本命チョコ?」と聞かれて、恥ずかしくなり「義理です」と答えてしまいます。
すると真夏は安心したように微笑みながら「よかった。それなら受け取れる」と言うので、主人公は何とか笑ってごまかしますが、その言葉で胸がちくちくと傷んでしまい …… 。
感想
どうしよう。 自分からキスすら出来ないヘタレっぷりが好み過ぎて!
興津さんだし最初から好きそうだと思っていたのですが、主人公じゃないけど可愛くて仕方がありませんでした。
内容は、真夏さんが主人公に優しくするけどそれ以上を望まない理由についてです。
実は主人公と真夏さんは1000年前からの運命で、生まれ変わる度に恋に落ちて、思いが通じ合ったと思うと主人公が死んでしまうというものでした。
HPに真夏さんの昔の姿が出ているので、何かしらあるということはプレイ前から推測出来ると思うんです。
でゲームを始めると、真夏さんは陰陽師の血筋だからあやかしが見えるというのが分かるので「だからあの見た目に繋がるのか」となる訳です。
さらにあやかし編に入ると真夏さんが「俺が死んでも、また来世でも、ずっとずっと見守る」と言うので確信に変わります。
1000年前の真夏さんは藤原真夏という陰陽師で、主人公である凛姫と想い合っていたけど、凛姫は帝の側室になることになってしまいます。
そして帝の寵愛を受けすぎて妬まれてしまった凛姫は呪いをかけられ、真夏のもとへと戻ってきますが、陰陽師である真夏にもその呪いは解けず、凛姫はどんどん衰弱し亡くなってしまいます。
そのことを悔やんだ真夏は、来世での再会を誓い川に身を投げますが、その際の想いの強さから夢を食べる漠が現れて、現代まで運命がループしているという話でした。
あと、真夏編は吟さんの過去を描きたいためにこういう設定にしたのかな?と感じてしまう内容でした。
ですが、このゲームで一番主人公と結ばれた方がいいのは真夏さんかなと思います。
そうじゃないとこのループは解消されず、想い合っても主人公か真夏さんが死んでしまうし、他のルートでは真夏さんがずっと見守ることになってしまうので。
主人公は真夏さんに惹かれていきますが、真夏さんには過去の記憶があるので、本当に主人公自身のことを好きなのか微妙だし、さらにヘタレだから「見守る」と言っていたのにも拘らず、膝枕をねだったり、2人きりで過ごしたいと言ったり、かなり主人公のことを振り回すので、好きになれない方もいるんじゃないのかなと感じました。
でも私は真夏さんのヘタレっぷりが気に入ったし、真夏編の主人公は快活なので真夏さんのことを可愛いとか、真っ赤になって照れ笑いをしている真夏のことがどうしようもなく愛おしいと言っていたのも頷けました!
そして真夏さんなりに頑張ってみると、今度はがっつき過ぎて主人公に逃げられてしまうという …… 。
あくまで私の場合ですが、BEST ENDより悲恋 ENDの方が潔いというかループを止めるための手段として良かったような気がするので、悲しいエンディングではありますが、悲恋 ENDの方がオススメです。
- オススメのセリフ
…… ああ。ごめん。君にこんな事を言わせて …… 。
これ以上、どうやって君に触れたらいいか、わからないんだ …… 。
…… 幸せが過ぎて、どうしたらいいのか、わからなくて。ははっ …… なんか、情けないね。
木邑浅葱(CV:石田彰)
キャラクター
不思議な学生さん。
イタズラ好きで、通りかかる人にイタズラをするが、本人に悪気はない。
ずっと同じ土地にいるため、遠くに行くのが夢。
内容
クリスマスパーティの途中で倒れてしまった浅葱は、年が明けてからも体調が優れない日が続き、ある日から浅葱の姿を見せなくなってしまいます。
そしてその頃から主人公は不思議な景色が見え、自分が夢の中にいるような、何かがおかしいような気がしていました。
そんなある日、紅葉山の枯れない桜が枯れ始めていると萩之介に教えられ、主人公は1人で桜を見に行った帰り道、足を怪我してしまいます。
運悪く鈴を持って来なかったため、夜になっても助けを呼ぶことが出来ずにいると、そこに浅葱が現れ、ぽんぽこりんまで運んでくれますが、痩せ細った浅葱はまた倒れてしまい、何日も目を覚ましませんでした。
そしてある日の夜、急に目を覚ました浅葱は主人公に「僕の話は君を悲しませる。それでも、いいと思うなら …… 。明日の夜、桜の木の下に来てほしい。その時、すべて話すから」と言い …… 。
感想
綴くんの「 …… ボクがいるから、パパは力をなくして死んじゃうの? …… ボクのせいで …… ごめんなさい、パパ」で号泣しました。
浅葱編は吟さん目線になってしまい、分かっていたけど涙が止まりませんでした。
浅葱編の内容は主人公との恋愛というより真相編でした。
ここからは感想というより本編の核心に迫るネタバレになりますので、読みたい方のみ読んで下さい。
『内容』のところに「自分が夢の中にいるような」と書きましたが、実は吟さんが主人公の家に来た8月20日に紅葉村は土砂災害で壊滅していたというのがこの物語の真実です。
吟さんは主人公と別れた後、壊滅した紅葉村を目の当たりにし、村も愛する息子も失ったことに絶望し、吟さんと唯一生き残った12人のあやかしたちは紅葉村が元に戻ることを願い、自身の妖力と桜の木が宿している紅葉村の記憶を使い、村全体を再構築することにします。
そこでやっと浅葱くんが出てくるのですが、浅葱くんは桜の木のあやかしで、吟さんと12人のあやかしたちの願いで作り上げた虚構世界を監視するために桜の木によって作られた存在が浅葱くんという訳です。
でも虚構空間を維持するには命を蝕むくらいの妖力を使うので、神様が制限を設けます。
その制限は傷ついた吟さんの心が癒えるまでで、吟さんは綴くんの成長を願っていたので、紅葉村は土砂災害当日の8月20日から綴くんの誕生日の前日である3月9日までをループするようになっていました。
虚構世界なので、綴くんは歳をとることが出来ないんです。
でもループを繰り返すうちに桜の木の力と紅葉村の記憶が弱まり、虚構世界を維持できなくなってきたので、浅葱くんは倒れてしまいます。
でも倒れてしまった浅葱くんは偶然泊まった主人公の部屋で、主人公が子供の頃から大事にしている人形を見つけます。
その人形は、主人公が子供の頃に目の部分を壊してしまった際に、目の代わりとして吟さんが大切にしていた石をつけてくれていて、その石は過去に吟さんが藤原真夏から貰った特別な力を持った石でした。
その石に気づいた浅葱くんは、唯一外の世界から来た主人公を浅葱くんの残り少ない力で過去に送り、その石を謡と詠の失われた目にはめ込むことで、狛犬としての能力が戻り、土砂災害を事前に察知して回避できるかもしれないという話でした。
で、気づいた方もいらっしゃると思うのですが、内容があまりに『リトルバスターズ!』なんです。
もうね、緑川さんが出ていて虚構世界を一定の期間ループ …… 「これ『リトバス』でしょ!」とツッコミたくなる程似ているんです!
あ、分からない方はすみません。
なので『リトバス』を知らない方より感動が薄くなってしまったかもしれませんが、それでも一番最初に書いた「 …… ボクがいるから、パパは力をなくして死んじゃうの?」のシーンでは号泣しました。
吟さんの綴くんへの思いが分かった状態で、下のリンクにもある『あやかしごはん 音楽集』のイラストを見た日にはもう …… 余計に涙すること間違いなしです!!!
浅葱編は真相ルートなので、主人公と浅葱くんの恋愛シーンは少なく、主人公と食事を作ったり、一緒にごはんを食べたりする当たり前の幸せを浅葱くんが知ったことで、桜の木の力が弱まっているけど主人公のためにどうにかしたいと動き出すルートなんです。
過去に戻れるなら、謡と詠の目が壊される前に戻ってどうにか出来ないのかとも思ってしまいましたが、それだと主人公が活躍出来ませんからね。
と内容ばかりで長くなってしまいましたが、浅葱くんは私が大好きな石田さんCVですし、キャラクターはとても好きです!
そして実はGOOD ENDより悲恋ENDの方が紅葉村のみんなの優しさや思いやりが伝わって来たので、そちらの方が好きかもしれません。
もしこれからこのゲームをプレイされる方は、浅葱編を攻略する前にハンカチを準備しておくのをお忘れなく!
- オススメのセリフ
君と …… 君達が幸せそうに笑っていればそれで良かったんだ。
もう身体がもたないんだ。
それでも …… それでもね。少しでも、君に笑ってほしいと思うんだ。
どうすればいいのだろう。君の笑顔を守りたい。