ネタバレレビュー
Written by madoka
※セリフやイベント等のネタバレが含まれますので、読まれる際は注意して下さい。
ストーリー
1179年。日の本の国。京の都では平清盛が率いる平家一門が栄華を誇っていた。
京から遠く離れた奥州陸奥国沿岸、主人公は小さな集落に住む十二歳の女の子。
母を病で亡くし、一人残された主人公は集落の名主の元で働きながら日々を過ごしていた。
彼女は幼い頃から、物や人に宿る思念を見極めることができる「天眼」という能力を持っている。
ある日の朝、彼女の住まいに立派な一団が訪れ、一団を率いていた若い男は彼女の前に恭しく跪き、こう言った。
「お迎えに参りました。お嬢様」
状況が飲み込めないまま、主人公は奥州一の都「平泉」に連れられて行きます。
平泉では源義経率いる郎党たちとの出会い、やがて主人公も「源平合戦」へと巻き込まれていきます。
全体感想
ゲームの詳細
題材が題材なので、甘さは少なく、ばっちり泣いてしまいました。
私は源平合戦にあまり詳しい方ではありませんが、他の乙女ゲーよりは史実に基づいた話になっていると思います。
歴史に詳しい方なら分かると思いますが、義経、四天王、主人公やその他のキャラも死んでしまいます。
GOOD END でも主人公と相手キャラのみが助かって、他のキャラが犠牲になって死んでしまうのが当たり前です。
なので、そういうのが大丈夫な方のみプレイして下さい。
このゲーム、本当に惜しいと思います。
話も面白いし、というか泣けるし、音楽やイラストも素敵で、吉次は重要なキャラクターですから金売吉次の後継ぎという設定も凄く良いと思うんです。
ですが主人公が微妙で、「天眼」という能力が全く役に立っていないんです。
嘘発見機みたいな使い方しかされていないし、吉次の家に伝わる石さえ使えれば、私はこの能力はなくても良かったと思います。
それと主人公が12歳の時から始まるのでしょうがないのかもしれませんが、全然働かないんです!
周りの人たちが有能というのもありますが、主人公は店の事は全て任せっきりで、義経一行に付いて行ってしまいます。
このゲームには吉次で働いている八重さんという女性がいるのですが、八重さんの方が魅力的だと思ったので、八重さんを主人公にして石の力を発動させれば問題無かったのでは?と思ってしまいました。
それと物凄く選択肢が少ないので、乙女ゲーというより歴史アニメを観ている感じでした。
文句ばかり言っていますが、1周目は8時間以上掛かるかなりボリュームのあるゲームで、最初に書いた通り、史実に基づいているので、面白い事はかなり面白いです。
歴史物なので基本的な流れは全キャラ一緒ではありますが、乙女ゲーで泣きたいタイプの方は満足出来ると思います。
ですが、本当に明るい話ではないので、三木さん目当てでプレイされる方は特に注意して下さい。
それと平家や頼朝が好きな方も後味が悪い感じになるかもしれません。
御影以外はどのキャラクターも最初から攻略出来るので、好きなキャラクターを1番最初に攻略した方がネタバレ的に楽しめると思います。
源義経(CV:立花慎之介)
キャラクター
義経は武辛くした源氏の御曹司。弁慶、琥太郎を郎党として従えています。
平家打倒を悲願としていて、鎌倉にいる兄・頼朝を篤く信頼しています。
笛を吹くのが大好きで、幼い頃に母から貰った龍笛を肌身離さず持ち歩き、幼い主人公のことを親身になっていつも大事に見守ってくれます。
感想
一の谷攻めのスチル無いのか。見たかったんだけどなぁ。
逆落としは見たい場面だと思いませんか?
さらに壇ノ浦での八艘飛びも無いのはかなり残念。その分、平敦盛が大活躍でした!
なるほど。そういう風にしたんですね!? ごめんなさい、ひとりごちました。
義経の話ってご存知の方も多いと思いますが、基本的にみんな死んじゃうじゃないですか。
だから GOOD END はどんな終わり方にするのかな?と興味津々だったのですが、大団円で良かったです。
泰衡と御師様は可哀想ですが、そういう説もあるのでこれもアリだと思います!
この義経様は主人公が弁慶ばかり褒めるのでヘソを曲げたり、なかなか可愛い義経様でした!
立花さんの義経様ってあまり想像出来なかったのですが、すっごく素敵で魅力的なキャラでした!!!
終盤の照れっぷりは素晴らしいし、戦っている時はさすが戦の天才って感じで格好良かったですし!
ですが実は私 …… 義経より知盛派なんですよね。
こればっかりは好みなので仕方がないです。
余談ですが、私の母が義経好きで弟の五月人形は義経の兜なのですが、この義経様は兜姿を一度も見せてくれなかったので、そこが何気に残念でした。
- オススメのセリフ
…… ○○。腰越から京へ帰ってからというもの …… おまえが顔を見せぬので、寂しかったぞ。
無論、俺が怒鳴りつけたせいだということはわかっていたが …… おまえの顔を見ないと、張り合いがなくてな。
俺は …… 俺たちは。おまえがそばにいてくれたほうが調子がいいようだ。
武蔵坊弁慶(CV:津田健次郎)
キャラクター
弁慶は比叡山の僧兵だったのですが、今は義経に従っています。
黙っているだけで威圧感があり、怖がられることもしばしば。
料理が好きで、気持ちいい食べっぷりを目にすると嬉しくなります。
無愛想なため分かり辛いですが、面倒見が良い一面も。
感想
津田さんの弁慶、とてつもなく格好良い。
ダダ漏れ万歳!ヤバい位素敵じゃないですか!
そして安宅の関での小芝居が最高! 勧進帳ではありませんが、果てしなくお馬鹿な小芝居でした。
弁慶編は平教経絡みでした。
てっきり湛増絡みだと予想していましたが、そちらは少しだけでした。
基本的に刀狩りの話がメインで、それに伴って平教経が出てきます。義経との出会いとかね。
弁慶は有名な場面が多いので、どこをどう使うのかな?と考えながらプレイしていたのですが、歌舞伎では超有名な「勧進帳」も使われていたし、歴史とは違いますが何気にいい感じだったと思います。
この弁慶はかなり不器用なタイプの人間で、主人公に告白されても突っぱねてしまいます。
自分は陰だからもっと他の人に幸せにしてもらえ的な感じです。説明分かり辛いですかね?
簡単に言うと、2人の思いが他の人にはダダ漏れ状態なのに、当の本人達は隠しているつもりの不器用な2人の話です。
BAD END は弁慶と言えば …… という終わり方なので、それはそれで悲しいけど格好良い終わり方でした!
弁慶編は空気が読める忠信が本当にいい味出しているので、その辺りにも注目してプレイして欲しいです!
当サイトで扱っている津田さんが出ている作品の中で、今日現在一番オススメしたいキャラクターです!
- オススメのセリフ
…… 綺麗になったな。
…… なんだ、その顔は。忠信は、しょっちゅう言っているではないか。綺麗だ綺麗だと。
おまえは、忠信に言われると嬉しそうにしているが …… 。俺が言うと、そんな顔をするのか。
…… もう良い。取り消す。おまえは別段、綺麗ではない。
琥太郎(CV:松岡禎丞)
キャラクター
琥太郎は訳あって義経に従っているやんちゃな少年。身軽で手先が器用で口が達者。
身長が低いのがコンプレックスで、いつか弁慶よりデカくなってやると思っています。
主人公に対してついつい悪態をついてしまいがち。
感想
琥太郎って伊勢義盛だったんですね! よく考えれば四天王だから当たり前なんですが。
最初全然気付かなくって、中盤になってやっと気付きました。
あんなに「一の郎党」って言っていたのに。
歴史に詳しい方なら、伊勢義盛と聞けば言葉巧みに敵を懐柔させるキャラだと分かると思います。
このゲームでも、武器での戦いより説得などで活躍する設定になっています。
ですがこの作品の琥太郎くんで注目する点は、戦いを恐れるという事だと思うんです。
他のキャラは我先に敵を倒し、御曹司をお守りする感じなのですが、琥太郎くんは敵を斬る事を恐れ、戦場で戦えなくなってしまいます。
そしてある事がきっかけで琥太郎くんも戦えるようになります。
琥太郎くんは主人公と同じ位の年齢という事もあり、最初は子供だったけど主人公と一緒に成長していく感じです。
他のキャラは主人公より10歳以上年上なので、一番しっくり来るのが琥太郎編だったように思います。
ラストは予想通りで無難でしたが、私は松岡禎丞さんの焦ったり怒ったりする感じの演技が好きなので、琥太郎くんをより素敵に感じる事が出来ました!
甘さは控え目ですが、琥太郎編良かったです。
- オススメのセリフ
オレには大太刀を振り回すのが合ってない。蕨手刀が …… 継信がくれた、こいつが一番扱い易い。
継信の教えを忘れないように、こいつをオレの守り刀にする。
おまえもこいつで守ってやるから、忘れんなよ!
だから、継信 ――― !安心しろよな。
佐藤継信(CV:三木眞一郎)
キャラクター
継信は義経と平泉で過ごす仲間で忠信の兄です。
忠義に篤く、不器用な程に己の信念に真っ直ぐなところがあります。
刀剣好きが高じて自分で鉄を打ち始めた鍛冶職人な一面も。
そんな自分に懐いてくれる主人公を妹の様に見ています。
感想
ヤバい!!!三木さんかっけぇ〜〜〜〜〜〜!
これ某大佐でしょ!あ、眼帯は大川さんVer.だけど。
BAD END なのにこの格好良さは反則です!!!
実はプレイ前にCVを確認した時、三木さんが継信だと知ってショックを受けました。
小西さんが某ゲームで山南さんだった時と同じです。
やっぱり早めに死んじゃうキャラって悲しいし、 好きな声優さんなら尚更そう感じてしまいます。
継信はご存知の方も多いと思いますが、義経四天王の中で一番最初に死んでしまうキャラなので内容は微妙な感じになっています。
文覚絡みがメインの内容になっていて、有名な屋島では義経を庇って片目を失う設定です。
それで私、某大佐って言っちゃったんですよ(笑)
で、その後は他のキャラと合流する事なく進んで行きます。
継信はかなりの鈍感キャラで、御曹司やみんなが主人公の気持ちに気付いているのに、継信だけが気付いていないというパターンです。
みんなが気を利かせてくれたのになかなか進展しない二人ですが、先程も書いた屋島の戦い後に一気に進んでいきますよ!
以下のオススメのセリフがいい例だと思います!
先程も書いた通り、ストーリー自体は他のキャラより面白みがありませんが、キャラとしてはかなり素敵でした!
やっぱり三木さんがCVのキャラってハズレがないです!!!
- オススメのセリフ
おまえへ花を贈りたかったんだ。萎れない、散らない花を、あの花はおまえを想って造った。
射られて海に落ちた時に押し寄せたのは後悔の念だった …… 。
あんな場所に仕込んだのでは、気付かれないのでは …… 。
だったら、言葉にして告げておけばよかった。俺は、○○を好いている、と ――― 。
佐藤忠信(CV:鈴木裕斗)
キャラクター
忠信は奥州一の名手と言われている、継信の弟。
人当たりは柔らかく、男女問わず楽しく過ごす事に幸せを感じます。
周囲からはちゃらちゃらと女と遊んでばかりいると言われることも。
主人公をからかって、反応を楽しむことが多い。
感想
だぁぁぁぁ〜〜〜!!!何あの横顔スチル!!!!
元々私は義経四天王の中でぶっちぎって忠信派なので、鈴木裕斗さんだと余計に素敵です!!
忠信編は兄の継信との内容がメインです。
継信は屋島で死んでしまうので、生き残った弟って切ない。
それと個人的に忠信というと歌舞伎の狐のイメージが強いので、この忠信はどんな感じにするのだろうと思いながらプレイしていたのですが、吉野の囮が出てきた時は忠信好きの私はかなり大喜びでした。
吉野で活躍してこそ忠信って感じがしませんか?
忠信はかなり女性にモテる設定なのですが、少しずつ主人公の事を妹としてでなく一人の女性として見るようになり、分かりやすく主人公にアピールするのですが、乙女ゲー王道の主人公が鈍感設定なので、いい感じになるのは後半の吉野辺りからになります。
忠信なので手が早いかと思いきや、意外と紳士的でビックリしました。
最初から最後まで主人公のことを可愛がってくれる忠信は外れなく素敵です!
オススメはやっぱり継信関係になってしまうのですが、普段は絶対に弱音を吐かない忠信が、継信のために飲めないお酒を飲み、本音をぶちまける以下のセリフは切なさMAXでした。
鈴木裕斗さんファンは泣いちゃうかも。
- オススメのセリフ
兄貴がいたから、俺 …… やってこれたようなもんなのに …… 。
大事なこと先に取って置くなんて … 馬鹿だった …… 。照れ臭いだの、恥ずかしいだの、言い訳して。
兄貴に、弓の礼を …… 『ありがとう』って、たったそれだけの …… 大事な一言だって、伝えられなかったんだ!
後悔 …… しても、しきれない …… くっ。
御影(CV:子安武人)
キャラクター
御影は義経の幼少期の師匠ですが、主人公を連れ出そうとする謎だらけの妖しい人物。
感想
御影めちゃめちゃイケメンでした!!!
PVでもチラッと見えましたが、本編だとがっつり分かりますね!
しかも子安さんの声ですよ?
どんなセリフでもキャーキャーです!!!!やっぱり子安さん大好き。
御影編は義経と四天王全員をクリアしていないと攻略出来ないようになっています。
なので、他のキャラの時にどうなっていたのか分かっている状態でスタートする事になります。
御影は鞍馬天狗という設定で、人でありながら天狗の面を着けて後白河法皇と影となり動いていて、内容的には隠しキャラだけあって、今まで曖昧になっていた主人公の母親の事、吉次の家に代々伝わる石の事、そして御影の事が分かるようになっています。
面白さで言ったら微妙なんですが、御影編で初めて主人公が持っている龍光石(字合ってますか?)の力が発動するんです。
その後「あれ?バッドエンドかも」と思わせておいてからの大団円だし。
個人的に後白河法皇が怖過ぎてちょっと嫌だったのですが、御影自体はすっごく素敵な可愛い人物で、しかも子安さんなので、ちょっとしたセリフでもドキドキ出来たし、予想よりは甘い感じでした!
久しぶりに乙女ゲーで子安さんの声を聴いたので、それだけで私は大満足です!!!
- オススメのセリフ
以前は、おまえに触れるのが怖かった。物の怪の手で、おまえを穢したくなかったのだ。
だが …… もう、ためらわぬ。おまえの手を離したくない。
…… おまえが嫌でなければ、だが。