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ネタバレレビュー

2016/07/27
Written by madoka

※セリフやイベント等のネタバレが含まれますので、読まれる際は注意して下さい。

ストーリー

魔法が存在する世界。

大陸の端、黒い木々に覆われた森の中には、魔王の住む城がそびえ立つ。


魔族を統率する魔王の一人娘である主人公は、いずれ魔王の座を受け継ぐ定めにあった。

そんな中、暗黒神より神託を得た父が、城を空けることとなる。

主人公は時期尚早だと戸惑いながらも、魔の玉座につく。


だが、魔王の地位は想像以上に厳しい。

魔族の中には人間を享楽で殺す者も多く、そのため人間は魔族を敵視している。

人に思い入れのある主人公に、魔王は務まるのか …… 。


全体感想


ゲームの詳細

今は無くなってしまったQuinRoseの作品。

主人公が魔王の娘で、勇者のパーティーや魔族、そして人間の王子が登場します。


内容は、人間と魔族が共存出来るかです。

主人公の父が城を空けることになったので、まだ若い主人公が代理の魔王となるストーリーです。


OPの選択肢により勇者パーティールート、魔王軍ルート、囚われの王子ルートに分岐します。

そしてキャラクターを選び、個別ルートは15話構成で、最後の選択肢は14話までとなり、15話とエンディングはテキストを読むだけになります。

各キャラクターには BEST END、GOOD END、BAD END(メルヴィンのみ NORMAL END)の3種類があり、好感度でエンディングが分岐し、魔王軍にはオマケ程度ではありますが、メイドとのエンディングもあります。


キャラクターについて

攻略対象は、勇者パーティー4人、魔王軍2人、人間の王子1人の合計7人が攻略対象で、勇者パーティーに1人、魔王軍に1人攻略制限があり、それ以外のキャラクターは最初から攻略可能です。

しかし、このゲームはネタバレ率が高いキャラクターを序盤に攻略すると、残りは消化作業になってしまうので、ネタバレを考慮して ドロップ → アトラス → サミュエル → エドガー → レオンハルト → マリオン → メルヴィン の順に攻略するのをオススメします。


システムについて

システム面はクイックセーブや選択肢ジャンプなどがあり、繰り返し同じ話を読むこともなくサクサク進めることが出来ました!

スチルは各キャラ16枚から21枚あり、崩れもなく綺麗なイラストでした。


感想

QuinRose作品は基本的に毒があったり癖があったりすることが多いですが、この作品は正直無難という印象を受けました。

主人公が魔王なので、魔王軍以外はいわゆるロミジュリ状態になるのですが、その後の展開が予想通りだったからかもしれません。

どのキャラクターも素敵ではあったのですが、先の展開が読めてしまうこともあり、どんどん攻略したいという気持ちにはなりませんでした。


エロ度は高めではありましたが、主人公に癖がないので、初めてQuinRose作品をプレイする方にオススメです。

逆に、いつも通りのQuinRose作品を求めている方は、消化不良になってしまうかも …… 。

 


アトラス=リーヴィス(CV:前野智昭)


キャラクター

勇者。仲間達と4人でパーティーを組んでいる。

魔族を憎んでおり、人間と容姿が近い魔族相手でも一切容赦しない。

人間に対しては優しく博愛主義。

幼いころにエドガーと共に主人公の友人だったはずが、なぜか覚えていない。


内容

子供の頃、アトラスのことが好きだった主人公は、レオンハルトを人質に取っている等の誤解を解こうとしますが、アトラスは聞く耳を持ちません。

しかし魔物との戦いで、主人公がアトラスを庇ったことにより、二人の関係は少しずつ改善されていきます。

ある日、主人公に庇われたことを気にするアトラスは、その借りを返してから主人公のことを殺すことにしたと言うので、主人公の希望により二人で花畑へと向かいます。

なぜか主人公と遊んだ記憶が全くないアトラスですが、主人公のことを信じていないわけではないし、主人公が昔のことを話している時の顔は作り話をしているとは思えないので、もっと昔のことを話して欲しいと言います。

しかし、主人公の話を聞いていたアトラスは、話の続きを思い出しそうになった途端、急に頭が割れそうに痛み出してしまい …… 。


感想

あぁ、また前野さんのヘタレワンコキャラ …… !!!

個人的に前野さん=ヘタレワンコというイメージが出来ているので、それ以外だと逆に驚いてしまうかもしれません。


アトラス編の内容は、アトラスに幼い頃の記憶がないことと、勇者と魔王という敵対関係の恋についてです。


実はアトラス編をクリアしてもアトラスに幼い頃の記憶がない理由はハッキリと描かれていません。

BAD END を見る限り「そうなんだろうな」というレベルでは分かりますが、それ位です。

他にも黒い森を荒らす犯人も分からないままですが、これも「この人なんだろうな」という曖昧な感じで終わってしまいます。


なので、アトラス編は勇者と魔王という2人がお互い惹かれあっていく経緯と、その後のお互いの立場や役割についてが本筋でした。

私は1周目にアトラスを攻略しましたが、両親についてのネタバレがあったので、一番最初に攻略したのは失敗だったかなと思います。

謎が残ったまま終わってしまったことは微妙でしたが、たぶん他のキャラをクリアすると分かるようになっているんでしょうね。


次にアトラスというキャラクターについてですが、アトラスはかなりヘタレでヤキモチ妬きなところがあるので、そこは可愛くて仕方がありませんでした!

主人公が素直じゃない負けず嫌いなタイプなので、お互い言い合いになってしまいますが、基本的にアトラスの方が優しくて主人公のことが大好きだというのが分かりました。

意外なことにエロ度は高めでしたが、主人公のことを押し倒している時も「まだ慣れてないから目を閉じておいてくれ」みたいなセリフを言って、スマートに出来ないところもアトラスっぽくて可愛かったですし、前野さんのヘタレワンコが好きな方は、今回もドキドキ出来ると思います!


以下のセリフもオススメですが、他に、「おまえの好きっていうのは …… 。どうも、恋人っぽくないような気がするんだがな」という拗ねたようなセリフもお気に入りです。


  • オススメのセリフ

大丈夫だ、ローズ。俺が何とかしてやる。

おまえの抱えている問題も、敵も全部、俺が何とかする。 …… だから、おまえは無理しなくていい。

…… って、おまえに直接言えたらいいのにな。勇者なんて言っても、案外何もできないものだ。

でもできる限りは何とかしてやりたい。 …… 頑張るから。

 


エドガー=ラング(CV:立木文彦)


キャラクター

勇者のパーティーの戦士。

世話好きで兄貴肌、料理が得意。

魔族だということを隠していた主人公に、複雑な感情を抱いている。


内容

エドガーは子供の頃に両親が病死し、妹は魔物に襲われ足を失っているので、妹や街の人間を守りたいと戦士になって魔族と戦っていました。

そんな時に、幼馴染だった主人公が実は魔王だったと知り、ショックを受けますが、アトラスに内緒で主人公と会ううちに、主人公がエドガーと戦いたくないこと、そして出来れば話し合って解決したいと思っていることを少しずつ理解するようになります。

そんなある日、主人公は執務に励んでいると、アトラスたちが主人公のことを殺そうと黒い森までやって来ます。

戦いたくない主人公とエドガーはアトラスを説得しようと試みますが、アトラスは聞く耳を持たず、主人公に攻撃を仕掛けます。

主人公は防御に徹していると、そこにマリオンとサミュエルが現れ、結局みんなで戦闘になってしまいます。

そして主人公は最後まで戦いたくないと訴えますが、エドガーは「あんたのいいたいことは分かる!だが俺たちは敵なんだっ、手を取り合うことができない今、戦うしか方法がねえんだよ!」と、エドガーとも戦うことになってしまい …… 。


感想

エドガーは、立木さんでした。

CVが立木さんという意味ではなく、エドガーというより立木さんという印象が強かったです。


エドガー編の内容は、魔王と戦士と勇者の関係について。

簡単に言うと、アトラスには主人公と遊んだ記憶がないので、魔王である主人公を殺そうとしますが、エドガーにとって主人公は初恋の人なので殺したくない。

親友であるアトラスと主人公への想いで板挟みになってしまうという内容です。


エドガーは子供の頃から主人公が好きだったこともあり、主人公が魔王だと分かっても主人公への想いを諦めることが出来ず、お互い想い合っていることが分かると、自分のことが好きなら魔王じゃなくなって欲しいと駆け落ちしようみたいな流れになるんです。

でも、主人公は魔王という立場を捨てられないから、エドガーのことを好きでも何もかも捨ててまで一緒には行けない。

立場の差があるので、エドガー編ではどういう折り合いをつけるのか、そこがメインになっていました。

そしてネタバレもあるので、先にアトラスは攻略した方がいいと思います。


キャラ的には料理が上手くて面倒見が良く、そして守銭奴というしっかりしたお母さんタイプなので、いい人という印象は受けましたが、個人的にはドキドキするような感じは少ないように思いました。


そして一番気になったのは、最初にも書いた通り、エドガーというよりあまりに立木さんという印象を受けてしまったことです。

何て言えばいいのかな?抑揚がないというか、いつものナレーションをしている立木さんがそのままゲームのセリフを読んでいるという感じだったので、そこがちょっと微妙でした。


ですがエドガーは戦士だけあって主人公のことを守ろうとするので、そういう一途な面倒見が良いタイプが好きな方にはいいかもしれません。


  • オススメのセリフ

あんたが今の立場を捨ててくれるなら、俺も一緒に行く!

新しい街で、いくらでもやり直せばいいんだ …… 、なあ、悪くない話だろう?

あんたと一緒なら、俺は他に何もいらない。好きなんだよ …… 、ずっと、ずっと …… 。

 


ドロップ=ルスト(CV:代永翼)


キャラクター

勇者のパーティーの魔法使い。

修行を積んで魔法使いになった人間。

知識欲が強く、魔法以外のことに関する知識も豊富。

名前や顔立ち、身長が低いことで、甘く見られたり子供のように扱われることを嫌っている。


内容

アトラスとエドガーは知り合いなので話し辛いため、主人公は面識のないドロップと話して誤解を解いてもらうことに。

主人公はドロップと一緒に花を探したり、魔法薬作りをして人間と魔族が共存する道を選びたいことを訴えますが、ドロップは計画性の無さを指摘し、主人公は敵だから絶対に殺すけど、魔族である主人公のことをもっと知りたいし、主人公の魔法の使い方を研究してから殺したいと言い出します。

ある日、主人公は流星群を眺めていると、そこにドロップが現れ、ドロップは子供の頃から背が小さく体があまり強くなかったこともあり、体が小さくても戦うことが出来る魔法の可能性に気づき、勇者と共に魔族を滅ぼすことで自分の存在に意味を持ちたかった、と考えていることを知ります。

しかし最近ドロップは、自分の生き方は正しいのか、魔族を悪役にすることで自分は正義だという錯覚に陥っていないか、正義の名の下に魔物の殺戮をしているのではないかと、時々疑問を感じてしまうらしく …… 。


感想

ドロップ編、一番最初に攻略した方がいいかもしれません。

私は先にアトラスととエドガーをクリアしてから攻略しましたが、ネタバレ率を考慮すると、先に攻略していた方が良かったのかなと思います。


ドロップ編の内容は、ドロップが考える未来について。

子供の頃から体が小さくあまり強くなかったドロップは、勇者と共に魔物を滅ぼすことで、自分の存在に意味を持ちたかった。

しかし主人公と接するうちに、魔族は本当に悪なのか、魔族を滅ぼした後はもっと認められるために悪を探し続けるのか、自分が思い描いていた未来が分からなくなってしまうという話でした。


ドロップは理屈っぽくて素直じゃないキャラクターなので、主人公と会う度に口喧嘩をしてしまうんです。

でもそれはお互いの気心が知れているからなので、言い争いになって腹が立っても次に会った時には普通に会話できるという不思議な関係でした。

勇者パーティーと魔王という立場なのですが、お互い遠慮がないところがあるので、それが良かったのかもしれません。


ただちょっと気になったのは、いきなりドロップが主人公に迫ってきた場面です。

その前の段階で好きになっているようでしたが、研究対象だった主人公のことを「嫌い」と言いながら迫る様子が、私が思い描いていたドロップと違ったので少し驚きました。

別にダメだったという訳ではないのですが、主人公と自分の立場を悩んでいたと思ったら、一気に両思いになってしまったので …… 。


個人的に代永さんというと可愛い年下系というイメージでしたが、素直じゃない魔法オタクというキャラクターでも全然問題なかったです!

むしろ甘えた感じより、こういう方が好みかもしれません。

ストーリー的にはあっさり終わってしまった印象を受けましたが、魔王VS勇者パーティーという設定を理解するのにはちょうどいいキャラクターだと思います。


  • オススメのセリフ

なぜこうもあなたは僕の心をかき回すんだ。最初はただの敵で、研究対象だった。

だけど …… 、あなたのことが頭から離れずにあなたのことばかり考えてしまうっ。

これではまるで …… 、あなたに惹かれているようだ。

そんなことは有り得ない。僕は勇者のパーティーの一員で …… 、そんなことあってはいけないんだ。

 


メルヴィン=ドラクール(CV:柿原徹也)


キャラクター

勇者のパーティーの商人兼占い師。

回復薬や、便利な道具でパーティーを補佐している他に、「占術」という特殊な術が使える。

明るくお調子者。

女性に対するスキンシップが多いが、飄々としていて、なかなか本心は見せない。


内容

主人公はメルヴィンと度々話すようになりますが、考えが読めないところがあり、いつも気がつくとメルヴィンのペースになっていました。

ある日、魔物の凶暴化が進んでいるという報告があり、主人公は見回りを始めると、そこにメルヴィンが現れ、主人公の手伝いをしたいと言います。

しかしその時、魔物が急に襲いかかって来て、主人公を抱えたメルヴィンは詠唱とともに魔法を使い、一瞬にして魔物を焼き尽くします。

強力な魔法を使えたことに驚いた主人公は、メルヴィンに尋ねると、以前から使えるけどアトラス達の前では使ったことがないと言います。

メルヴィンの正体に疑問を覚えた主人公は、不意打ちで攻撃を仕掛けますが、メルヴィンは難なく攻撃を避け、「安心して、魔王を殺すのは勇者の役目だから、俺は君に何もしないよ。でも、弱いくせに自分から挑んでくるなんて命知らずな真似はやめたほうがいいよ?」と主人公の首にナイフを当てます。

主人公はメルヴィンに何者なのか尋ねても「そんなに気になるのなら、俺が何者か、当ててごらんよ。分かるのなら、ね」と言うだけで …… 。


感想

予想通り、メルヴィンは素敵キャラでした。 これは好きな方が多いのではないでしょうか?

あ、メルヴィン編はネタバレ率が高いので、最後に攻略するのをオススメします。


メルヴィン編の内容は、メルヴィンの正体と、主人公の父親について。

メルヴィンはただの商人兼占い師ではないということと、主人公の父親が突然いなくなり、主人公を代理の魔王にしたことについでです。


メルヴィンについてのネタバレが無いドロップまたはアトラスしか攻略していない場合は別ですが、メルヴィンは2周目以降に攻略可能なので、メルヴィンが実は竜族であることが分かっている状態でプレイすることになります。

なのでメルヴィン編では、メルヴィンがアトラスたちのパーティーに素性を隠して入った理由や、魔物を凶暴化させていた訳が描かれています。

その他に、アトラス編でも語られていますが、主人公の父親であるヴェルフリートが主人公の母親であるルイーザを人間への生贄として差し出していたことについてです。


ここからはメルヴィン編の核心になりますので、読む場合は注意して下さい。


いきなり核心を書きますが、実はメルヴィンとヴェルフリートは手を組んでいたんです。


『勇者』という肩書きを得るためにはドラゴンを倒すことが必要で、アトラスがドラゴンスレイヤーになってから、人間達は栄光を求めて竜族を殺すことに躍起になります。

メルヴィンは竜族なので、その意識を別に逸らせないかと考えていたところに、ヴェルフリートから人間との不利益な条約を破棄して魔族のための世の中を作りたいという計画への協力を求められます。

この計画が進行すれば、人間達の意識が魔族に向けられると考えたメルヴィンは、ドラゴンを倒した人間がどんな人物か見てみたかったというのもあり、勇者のパーティーに参加します。

最初は魔物を凶暴化させて、魔族と人間を混乱させていたメルヴィンですが、主人公のことを好きになってからはそれをせず、途中からはヴェルフリートが魔物を凶暴化させていました。


そしてヴェルフリートについてですが、主人公の母であるルイーザを人間への生贄として差し出したため、ルイーザに呪いを掛けられていたんです。

その呪いとは、主人公の成長が止まる頃、主人公を真の魔王にして王の座を譲らないとヴェルフリートは命を落としてしまうというもので、呪いの影響で、主人公の傍にいると激痛が襲い、命が削られてしまいます。

だから主人公のことを生贄にしようと考えていたけど、人間と仲良くする主人公を殺そうとする …… そんな内容でした。


キャラクターとしては、激強で頭が良く色気もあるイケメンというチート設定なので、好きな方が多いだろうなと感じました。

しかも主人公のことを好きになってからは、アトラスやヴェルフリートからも守るという、何もかもが格好良いキャラなんです。

私はどちらかというと魔族贔屓なのですが、たぶんメルヴィンが一番人気があるキャラクターだと思いますよ。


メルヴィンが主人公の父親と結託していたという事実はありますが、それも竜族が無闇に狩られてしまうことを懸念しての作戦なので、あまり悪い気はしませんでした。

メルヴィンは柿原さんの声ということもあり色気が満点で、しかも主人公のことを揶揄って楽しむタイプのキャラクターなので、モテキャラが本気になるという展開が好きな方にオススメです。


  • オススメのセリフ

君って …… 、まったく。大人なんだか、子供なんだか。

ちなみに今更だけど、俺は勇者の仲間でもあるんだよ?忘れちゃった?

くっくっく …… そりゃ恐ろしい。迂闊に手を出せないな。分かったよ、お姫様。君が眠るまで、俺は君の傍にいる。

 


サミュエル=バレット(CV:諏訪部順一)


キャラクター

魔族。暗黒司祭。

特殊な者しか使うことの出来ない「治癒魔法」を使うことが出来る。

主人公に従ってはいるが未熟者とも思っているようで、小馬鹿にしてからかうことが度々ある。


内容

主人公の教育もしているサミュエルは、主人公の父である魔王の書類仕事をしていたこともあり、司祭ではありますが主人公の補佐をすることに。

そしてまだ主人公のことを王だと認める気はありませんが、主人公に魔王としての器があると自分に認めさせて欲しいと思っています。

ある日、二人は魔族の遺跡を訪れていると、暗黒神ナディスから「この先の未来、主人公が殺される可能性がある」という神託があります。

いつもは嫌味を言うサミュエルですが、主人公の身近な人物が関わっているという内容だったので、他の人には伝えず、基本的に全員を疑うようにするよう主人公に警戒させ、その後、サミュエルは神経質なくらい一日に何回も主人公の様子を見に来るようになります。

そんな時、魔界の貴族の夜会が催されることになり、主人公は代理の魔王なので参加しなくてはならなくなります。

心配したサミュエルは主人公に同行しますが、夜会の最中にキャンドルタワーが倒れてきて、主人公を庇ったサミュエルは怪我をしてしまい …… 。


感想

「あなたの近くに寄りたいんですよ。それくらい気づいてください」とか ―――!

素直じゃないサミュエルが何だか『三国恋戦記』の公瑾のようで、私は諏訪部さんのこのタイプに弱いことが分かりました!


サミュエル編の内容は、主人公のことを殺そうとしている人物が誰なのか、そしてサミュエルの司祭という立場について。

司祭であるサミュエルは、暗黒神ナディスからの神託によって、何が起こるか事前に分かっていても、運命なので変えることが出来ない。

そしてサミュエルは主人公のことを頼りないと思っていたけど、少しずつ魔王らしくなる主人公を見て、以前とは違う気持ちになっていきます。


実はサミュエルには、過去に神託があっても救えなかった命があったので、主人公が殺されるという神託を受けて神経質になっていきます。

そして運命を変えたいのに変えられない、何をしても無駄だったという無力感と絶望感がサミュエルを追い詰めていきます。

そんな時に、夜会が催され、主人公に向かってガラスのキャンドルタワーが倒れてきます。

結果的に主人公は無事でしたが、サミュエルは怪我を負ってしまい、もしサミュエルが庇わなかったら主人公がガラスのタワーの下敷きになっていたことになります。

神託はハズれたと喜んでいた二人ですが、今度は魔王である主人公への縁談話が出てきて、サミュエルは司祭とはいえ貴族ではないので …… という展開です。


サミュエルは遠回しに嫌味ばかり言うキャラなので、私は最初から気になっていたのですが、話が進むに連れて段々と主人公のことが大好きで仕方がないデレデレ状態になっていきます。

しかも可愛いものが好きなのに隠していたり、イチャイチャする時も主人公におねだりさせるように仕向けたり、素直じゃない嫌味な部分とデレた部分が絶妙に入り混じったキャラクターで、途中から何度も吹き出してしまいながら楽しくプレイすることが出来ました!


主人公のことを狙っていた犯人は他のキャラクターを攻略済なので予想通りでしたし、もしかしたらFDを作ろうと思ってこういう終わり方にしたのかなとは思いますが、意外と独占欲が強く甘えたなサミュエルは魅力的でしたし、諏訪部さんの色気のある声とこういうキャラの組み合わせは最強だと思うので、ほとんどの方が好きになると思います!!!


  • オススメのセリフ

…… 私が陛下を守ります。どんな輩からも、必ず守ってみせます。

祈りは必ず届くとは限りません。ですが自分に誓えば、努力次第で叶うのでしょう?

…… 私はあなたに死んでほしくない。だから祈りだけに頼りません。己の力で、あなたを守ります。

 


マリオン=ナイトハルト(CV:三木眞一郎)


キャラクター

魔族。暗黒騎士。

主人公が幼いころからずっと警護にあたっており、主人公には絶対の忠誠を誓っている。

主人公以外はどうでもいいと思っているので、他の魔族との交流は好まない。


内容

主人公以外はどうでもいいと思ってるマリオンは、主人公と一緒にいるときだけ笑顔を見せる騎士です。

マリオンと主人公の出会いは、主人公が幼い頃に父と訪れた格闘場で、当時最強の剣闘士だったマリオンを発見し、自分の騎士にして欲しいと頼んだことでした。

貧しい家に生まれたマリオンは、家族に闘技場へ売られ、誰も信じず、ただ敵を殺して生きていこうと思っていましたが、幼い主人公が何度も歩み寄ってくれたので、主人公のことを守りたいと思うようになります。

ある日、主人公はアトラスとエドガーに会い、誤解を解こうとしますが、主人公の言うことを信じてもらえず、話し合いは失敗に終わります。

話し合いが失敗に終わったことをマリオンに伝えると、マリオンは『アトラス』という名前に反応し「やはり、その人間はあなたにとって特別なのですか?」と目を細め、便宜上勇者の名前を使っているだけだと伝えても「 …… 用心しておいたほうがいいか」と言い、主人公はマリオンの呟きに何となく不穏な意味合いを感じてしまいます。


感想

三木さんの寡黙な騎士設定!!!!一途な想いにドキドキしまくりました ―――!

そしてマリオン編なんですが、サミュエル(諏訪部さん)がマリオンの真似をして言った「陛下、本当はあなたに会うためにここに来たのです。私はあなたのために存在しているのですから …… 」の威力!!!

個人的には甘々のセリフは別に好きでも嫌いでもないと思っていましたが、三木さんと諏訪部さんだと甘ったるいセリフも破壊力抜群ですね!


マリオン編の内容は、マリオンが主人公に執着する理由と、アトラスについて。

まず、マリオン編はアトラスの BEST END をクリア済じゃないと攻略出来ないので、アトラスの記憶が欠落していることにマリオンが関わっていることが分かっている状態でスタートします。

そのアトラスについてと、マリオンの主人公に対する行き過ぎた独占欲や執着心がある理由についてが描かれていました。


ここからはマリオン編の核心になりますので、読む場合は注意して下さい。


まず、マリオンは両親に売られてしまった過去があるので、自分を拾ってくれ、歩み寄ってくれた主人公のことを大切に思い、主人公のことを一番に考えるようになります。

その頃まだ幼い主人公は、こっそり城を抜け出しアトラスとエドガーと遊び、二人と仲良くなりますが、その様子を見ていたマリオンは、主人公がいずれ魔王になれば人間にも慕われるだろうと感じ、主人公が魔族と人間の両方に慕われると敵がいなくなってしまい、主人公を守ることだけが生きがいの自分は必要なくなってしまうと危惧していました。

そんな時、主人公の父である魔王が人間と仲良くする主人公のことを殺そうとしていることを知ったマリオンは、ある作戦を思いつきます。


まず、アトラスと遊んでいる主人公はマリオンが見たことがないくらい楽しそうに笑っていたので、アトラスを利用すること。

自分が主人公に捨てられないためには、魔族を恨み、主人公に敵対する人間を作る必要があったので、幼いアトラスを殺さないように痛めつけて精神を壊し、狂ったように叫ぶアトラスにナイフを持たせ両親を殺させます。

その後、アトラスは正気に戻るとその事実が耐えられなかったようで、魔族が殺したと思い込むようになります。

マリオンがアトラスの両親を殺してもマリオンを恨むだけなので、魔族全体を恨むように自分の手で両親を殺させる必要があり、その後はアトラスから主人公の記憶を消して今に至るということ。

簡単に書くと、こんな感じです。


マリオンは素敵な騎士ではありますが、先程書いた通りかなりヤンデレ要素が強いので、好き嫌いが出るだろうなと思います。

主人公に必要とされたい、捨てられたくない、ずっと一緒にいたいという思いがそうさせたのだと思いますが、マリオンがアトラスに対してしたことを受け入れられない、もしくは流せない方もいると思います。

普段、私はどちらかというとヤンデレは苦手ですが、マリオンは主人公に対して常に優しく、主人公を傷つけたりするタイプのヤンデレではなかったこと、そして三木さんがCVということで大丈夫でした!

もちろん全く嫌な気分にならなかったという訳ではないですけどね。


マリオン編には魔王と騎士という身分違いの恋というのもあり、主人公はマリオンが一貫して『騎士』という立場を崩さず、命令と言わないとなかなか上手くいかないと悩むのですが、そちらの部分は乙女ゲーらしくどなたでも楽しむことが出来ると思います。

キャラ的には分かりやすい番犬タイプなので、ヤンデレではあっても盲目的に主人公を愛するキャラクターが好きな方にはオススメです。

余談ですが「爪先へのキスは忠誠の証」と聞くと『妖狐×僕SS』の中村悠一さんを思い出してしまいました。


  • オススメのセリフ

あなたのためにならないと分かっていても、私はどうしてもあなたから離れられない。

もう限界です。あなたの目に他の男が映っているなど、耐えられません。

…… お願いですから、私だけを見ていただけませんか。

 


レオンハルト=ローゼンハイン(CV:緑川光)


キャラクター

人間の国、リゼンバルドの王子。

まるで姫のように美しい外見の持ち主。

貢物として、魔王城に幽閉されている。

常に穏やかな空気を纏っていて、ずれた発言が多い。


内容

自分が死ぬことで誰かの役に立てるのなら嬉しいと思っているレオンハルトは、主人公が真の魔王になるために自分の命が使われるのなら本望だと、生きることに希望を持っていません。

なぜならレオンハルトは妾の子で、兄弟達から疎まれ、王と王妃はレオンハルトの扱いに困り、王子らしい見た目とは裏腹に、身体中に無数の傷があり、政治的な交渉のための人質として使われた過去があったからで、その話を聞いた主人公は、レオンハルトの父親が息子を魔王への生贄として差し出すなんて納得出来ないと、自分の力でレオンハルトを守らなければと思います。

なので主人公はレオンハルトに生きようと考えて欲しいと言いますが、負の感情を抱えて呪いのように生きるより、この世を楽しんで鮮やかに散りたいと願っているレオンハルトは、自分を殺してくれる魔王が主人公で良かったと言うだけ …… 。

主人公は、そんな優しくて思いやりのあるレオンハルトを生贄にするのは無理だと思ってしまいます。



感想

久し振りの緑川さんの王子キャラでしたが、鉄板ですね!

そしてレオンハルト編は他のキャラよりスチルの数が多かったのですが、なぜかキスシーンと押し倒しているスチルの率が高かったような?


レオンハルト編の内容は、レオンハルトの存在意義について。

レオンハルトは妾の子なので、ずっと兄弟達から疎まれて育ったこともあり、王子とは名ばかりで、酷い扱いを受けてきた。

だから自分が真の魔王になるための生贄となることで、ずっと必要とされなかった自分の命に意味を見出したいと考えているという話です。


簡単に言うと、レオンハルトは主人公なら人間と魔族が幸せに暮らせる未来を実現出来ると思っているので、死ぬことは怖いけど生贄になることを受け入れ、その日を待っている。

一方主人公は、真の魔王にならなければならないけど、レオンハルトと過ごすうちに生贄として殺すことが出来なくなってしまう。

そしてレオンハルトも本当は愛情に餓えていた人なので、主人公と一緒に生きていきたいと願うようになるという展開でした。


レオンハルトは王子そのもので、主人公に優しくポジティブで天然な性格ですが、本当は人一倍愛情に餓えているので、主人公と思いが通じ合った後は、嫉妬深いキャラクターでした。

閉じ込めたいと言っているだけで行動に移さないのでヤンデレではありませんが、予想以上に嫉妬深くて驚いた程です。

他のキャラクター攻略時の印象では、優しそうに見えて腹黒 …… というのを予想していましたが、全くそんなことはなく、レオンハルトは主人公にベタ惚れで素敵な王子様でした。

そして最初にも書きましたが、レオンハルト編はキスシーンが多く、どちらかが押し倒しているスチルが多発していたように思います。


本当に個人的なことですが、二人が恋人同士になった後、主人公がレオンハルトのことを「レオン」と呼ぶ度に『バイオハザード』のレオンを思い出してしまったのが残念でしたが、ストーリーは分かりやすいですし、緑川さんの天然王子キャラが好きな方は気にいるはずです!


  • オススメのセリフ

あなたは魔法で、とても強いけれど …… 、普通の女の子でもある。

僕はあなたを独り占めしたくなって、どこかに閉じ込めておきたいと思うときもあるんだよ?

これから先だって、あなたを誰にも渡したくない …… 。僕はいつだってあなたのことを想っているから。


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