ネタバレレビュー
Written by madoka
※セリフやイベント等のネタバレが含まれますので、読まれる際はご注意下さい。
ストーリー
幕末、文久三年 ――― 。主人公である雪村千鶴は、江戸育ちの蘭医者の娘。
父の綱道は娘と離れ京都で仕事をしていたはずだった。
連絡が取れなくなった父を心配した千鶴は京都を訪れる。
千鶴がそこで見たのは、血に飢える化け物を斬り伏せる新選組の隊士だった ――― 。
新選組と奇なる縁により結ばれる千鶴。行方不明の父を捜すうちに千鶴の前に現れる謎の刺客たち。
やがて明らかになる新選組の秘密 ――― 羅刹の存在 ――― 。
狂った時代の中で、理想と信念を胸に刃を振るう男達。
幕末の戦いの影で、新選組の闇の戦いが始まる ――― 。
全体感想
『薄桜鬼 ポータブル』を攻略後にVitaへの移植作品である『薄桜鬼 鏡花録』をプレイしたのですが、最初からこちらをプレイすれば良かったと激しく後悔しました。
しかもPS3を持っているので、Vita版より大画面でプレイ出来るPS3版を買えば良かったと更に後悔しました。
本編の内容はPSP版とほぼ同じなので、ここにはPSP版とVita版の違いを書きたいと思います。
まずはクリア後の特典だった「薄桜鬼遺聞 戦友絵巻」が無くなり「雨下語り」が追加されました。
これに関しては「薄桜鬼遺聞 戦友絵巻」の方がスチルもあり個別の内容だったので、「雨下語り」を目当てに購入するのであればオススメ出来ません。
そして「画像鑑賞」の桜の花びらが付いているサムネイルをタップすることにより聴くことが出来るボイスを「想い手結び」と言います。
この「想い手結び」を全て聞くと「トロフィー 触れる想い」を獲得出来ます。
このトロフィーを獲得するのに少し手間取ると思うので、各攻略ページ下部に詳細を記載しました。
行き詰まった時は是非参考にして下さい。
他にミニゲームが2種類追加されていますが、このミニゲームもトロフィーに関わってくるので、トロフィーを集めている方は必ずクリアして下さい。
今回「AAS」が導入されたので、各キャラの瞬きやリップシンク、鼓動などが反映されていますし、PSP版をクリアしたことがある方は、Vitaの画像のクオリティに驚くと思います。
本当に綺麗です。
画像のクオリティ、起動やロードの速さなど、どれを取ってもVita版の方が上でした。
なので、これから『薄桜鬼』デビューされる方は、PS3をお持ちならFDも一緒になっている「薄桜鬼 巡想録」を。
Vitaをお持ちなら廉価版である『薄桜鬼 鏡花録』を購入するのをオススメします。
※以下のキャラクター毎の感想は『薄桜鬼 ポータブル』のページに記載したものと同じです。
土方歳三(CV:三木眞一郎)
キャラクター
新選組副長。鬼の副長とのあだ名を持つ。
実際には、荒くれの隊士をまとめるためにわざと鬼役を買って出ている。
内側の顔や、内心の苦労を知るものはごく少ない。
内容
伏見奉行所が襲撃され、淀城に助けを求める伝令を命じられた主人公と井上は、やっとの事で淀城に辿り着きますが、何故か襲撃を受けてしまいます。
その事を土方へ伝えるために集合場所に戻った2人ですが、そこにいた風間に井上の隊は殺されていました。
結局主人公を守るために井上も殺され、主人公は自ら命を絶とうとした時、土方が助けに現れます。
最初は攻勢だった土方ですが、鬼の力を解放した風間相手に次第に防戦一方になり、絶対に負ける訳にはいかない土方は、変若水に手を出し、羅刹と化します。
感想
土方編の感想は『薄桜鬼』というタイトルだったということでしょうか。
もちろん分かっていましたけど、『薄桜鬼』という単語が出てきたので実感したのが土方編でした。
内容は風間さんと戦って羅刹になり、その後は新選組が敗北の一途を辿り、徐々に隊士も減ってラストは五稜郭まで行くという、風間さんが出てくる事以外は普通の新選組でした。
副長は三木さんだし素敵だろうと踏んでいたので、終盤まで取って置いたのですが、さりげなく主人公のおつかいに見つからないように護衛を付けたり、冷めたお茶でも飲んでくれたり、「鬼の副長」というよりは妹を心配する兄のような印象を受けました。
なんだかんだで優しいですからね!
ハッキリ言って、土方編は糖度が低めで隊士もかなりの数死んでしまいます。
それでも最後まで武士の道標となる土方さんの生き様が素敵なので、切なくても大丈夫な方にプレイして欲しいです。
三木さんがCVというだけでいつもドキドキする私ですが、九章の「 …… 当たり前だ」が特にお気に入りです!
- オススメのセリフ
…… まあな。
こんな奴が俺のそばにいてくれるなら、もう他の小姓を置く気にならねえよ。
悪いが、大鳥さんは他を当たってくれ。
こいつは俺のだ。 …… 手放すわけねえだろ?
沖田総司(CV:森久保祥太郎)
キャラクター
新選組一番組組長。天才的な剣の使い手で、一番組の組長を務める。
普段は冗談や笑みを絶やさないが、剣を振るうときは容赦がない。
内容
沖田は肺結核を患ってしまい、以前のように戦えず、部屋で過ごす日々が続き、屯所が襲撃された際も、思うように戦うことが出来ずにいました。
するとそこに現れたある人物から「戦いたいと叫ぶだけか、これで羅刹となるか」と変若水を渡され、沖田は羅刹と化すことを選びます。
その後、近藤局長が襲撃され、それには沖田に変若水を渡した人物が関わっている知り …… 。
感想
沖田編は …… ハッキリ言ってラストが微妙でした。
森久保さんの沖田は良かったんですけどね。
内容は新選組では有名な池田屋で沖田さんがゲホッっとなって寝たきりなり、直す方法が無いから変若水を飲んで羅刹化し、後はその変若水を渡した人物との決着をつける話です。
普段の沖田さんは主人公のことをからかって楽しむ毒舌タイプなのですが、顔に出さないだけで、体調が思わしくないのを悟られないようにしている所が可愛いけど切なくなりました。
そして沖田さんは近藤さんが絡むと周りが見えなくなるので、近藤さんに被害が及ぶと土方さんに対して辛く当たってしまう愛情の裏返しみたいな所があり、そんな3人の繋がりの部分も結構好きでした!
ただ、私の場合は沖田さんより山崎派なので、ここぞという時に助けてくれる山崎さんの方が気になってしまうという残念な結果になってしまいました。
せっかくの森久保さんの生意気キャラなのに、沖田だからこうなってしまうのかラストは本当に微妙でした。
- オススメのセリフ
もしも君が全てを諦めて、願いを放り出すつもりなら ――― 。
――― 僕が、君を殺してあげるよ。
君が前に進むことまで諦めるつもりなら、どこにも行けないように僕が終わらせてあげる。
斎藤一(CV:鳥海浩輔)
キャラクター
新選組三番組組長。
無口の一匹狼で人見知りが激しい。左利きの居合いの達人で、剣は新選組の中でも指折りの腕前。
内容
ある時、伏見奉行所を襲撃され、主人公は人手が足りないので、斎藤がいる龍雲寺への伝令を任されます。
やっとのことで龍雲寺へ着いてみると、なぜか素手で戦う鬼である天霧と戦っている斎藤の姿が。
鬼の力を解放した天霧の前に手も足も出ない斎藤ですが、伝令を伝え何とか退却することに。
急いで奉行所に戻ってみると、時既に遅く、主人公は斎藤らと共に八幡谷へ向かいます。
夜になり他の部隊と合流しようとした矢先、今度は風間が斎藤たちの前に現れ斎藤は瀕死の状態になり、そこで風間は斎藤に変若水を渡します。
意を決した斎藤は変若水に手を伸ばし、自ら羅刹と化すことを選びます。
感想
どうしよう!素敵過ぎて三章の「 …… 気をつけて帰れよ」だけでキュンキュンです!
私は元々新選組で2番目に好きなのが斎藤さんなので、どうしても甘い評価になってしまいます。
って「幕末恋華 新選組」の時も同じ事を書いていました!
斎藤さん好きなのでしょうがないですよね?
内容は斎藤さんが考える「武士とは何か」とか「大切なもの」とかそんな感じです。
もちろん羅刹となるのでその絡みの内容もありますが、あくまでメインは斎藤さんの心の内です。
斎藤さんは自分の命よりも新選組の意向を優先するので、そのためには羅刹になるのも厭わないし、無理をしていて切なくなりますが、口数は少なく表情に出にくくても、常に一生懸命で熱い心を持ったとても素敵なキャラクターでした!
クールではありますが、釦を掛け違えたり、新八さんに揶揄われて赤くなったりと可愛い部分もあるので、元々斎藤さんが好きな方はもちろん、そうじゃない方も惹かれると思いますよ。
鳥海さんファンで甘さ控えめでもOKという方は、是非プレイして欲しい、この作品で一押しのキャラクターです!
- オススメのセリフ
…… 今までは、そうだったかも知れん。
だが、これからは ――― 。
俺は、俺自身の命令で行動する。
命を懸けて彼女を守り ――― 、貴様を倒す。
藤堂平助(CV:吉野裕行)
キャラクター
新選組八番組組長。新選組幹部の最年少。
祭好きの江戸っ子で、人の輪や剣の修羅場に真っ先に乗り込む野次馬根性の持ち主。
内容
伊東参謀が新選組に加入したことにより、新選組内部はだんだんと一枚岩ではなくなっていきます。
そして死んだことにしていた山南が生きていると知った伊東は、そのことをネタに新選組から独立することにし、もともと尊王攘夷派の藤堂は、伊東らと共に新選組を離れ御陵衛士となります。
その後、藤堂は油小路で新選組と対する事になり、結果的に重傷を負い羅刹と化します。
藤堂は羅刹隊に入りますが、羅刹隊を率いている山南は何かを企てている様子。
そしてある事件が起き、藤堂と主人公は山南がいる仙台へと向かいます。
感想
えーとですね。私はもともと藤堂平助ってあまり好きじゃないんですよ。
新選組や幕末がお好きな方はご存知だと思いますが、ある意味新選組を裏切る人物だし、油小路事件も後味悪いし …… 。
でも今回は吉野さんがCVなので補正されるかな?と思い、最初に攻略しました。
内容は平助くんが油小路で瀕死状態になり、そこで平助くんが羅刹化してしまう話です。
平助くんは新選組の幹部なのでもちろん強いことは強いのですが、若い分他の幹部に比べると少し弱い感じがするので、一生懸命主人公を守ろうとはするのですが、例えるならキャンキャン吠える小型犬という印象を受けました。
やはりもともと持っている印象が強いせいか、ワンコ好きな私でも平助編はあまりドキドキする事が出来ず、恋愛ゲームというよりストーリーを楽しむという流れになってしまったのが、とても残念でした。
ですが平助編ではちーちゃんがかなり重要なので、終盤の2人のやりとりは結構好きでした!
- オススメのセリフ
何もって …… おまえ、それ本気で言ってんの?
だとしたら、鈍いにも程があるって。
ありがとな。
きっと …… 、おまえがいなかったらオレはとっくに狂ってるよ。
原田左之助(CV:遊佐浩二)
キャラクター
新選組十番組組長。
けんかっ早く口も悪いが、人情に厚く義理堅いところがある。刀より槍を得意にしている。
内容
ある日、夜襲を掛けるために皆が出払っているので主人公が奉行所で待っていると、拳銃を使う鬼である不知火が現れます。
たまたま戻ってきた原田は主人公と一緒に戦うことになりますが、主人公の回復力を目にした原田の表情を見て、不知火は「原田の表情が本音だから、おまえは化け物だ」と言い残して去っていきます。
その後、主人公は原田に避けられるようになってしまいます 。
そんな時、傷の回復力に目をつけた山南に、主人公は「守られているだけでは何の役にも立たない。これ以上、犠牲者を出さないためにも実験に協力して欲しい」と説得されます。
原田に相談したいのに避けられている主人公は、ある決断をすることに …… 。
感想
さすが遊佐さん!
って左之助ですが、超素敵でした。
最初から主人公を守ってくれるし凄く優しいので、これは好きな方が多いのではないでしょうか?
内容は鬼である主人公と普通の人間の原田さんの互いに思いやる気持ちがメインです。
ご存知な方もいらっしゃると思いますが、原田さんと永倉さんは新選組を除隊するのでどんな内容になるのかな?と思いながらプレイしていたのですが、羅刹にならない普通の新選組でした。
もちろん主人公が鬼なので、色々問題は発生するんですけど。
もともと私は原田さんと永倉さんなら永倉派なのですが、このゲームでは完璧に原田派です!
とにかく最初から最後まで格好良いので、遊佐さんファンの方は大変なことになりそうなレベルです!
人気があるキャラクターなのも頷けますし、何より遊佐さんの声が最高でした。
素敵過ぎてオススメのセリフもかなり迷いましたが、結局甘いのではなく格好良い方を選んでみました。
- オススメのセリフ
――― 来い。
こいつを渡して生きるぐらいなら、おまえらを道連れに果ててやるよ。
新選組十番組組長の首、易々と取れると思うな。
風間千景(CV:津田健次郎)
キャラクター
薩摩藩に雇われ、新選組を狙う謎の剣士。主人公のことをなぜか特別視している。
内容
風間らは自らを『鬼』と名乗り、度々主人公に接触してくる謎の剣士です。
主人公はお千ちゃんという女の子から風間と主人公は鬼だということと、風間の狙いは主人公で、鬼の良い血筋同士が結ばれればより強い鬼の子が生まれるからだと教えられます。
そんなある日、伏見奉行所が薩長軍に襲われ、主人公はみんなとはぐれてしまい、身の危険を感じた主人公は一目散に森を目指しますが、森の中で敵に遭遇します。
しかし偶然通りかかった風間に助けてられ、主人公は風間と共に新選組がいるであろう江戸へと向かうことになります。
感想
風間編短かった。
凄く素敵なキャラクターなんですが、ラストも中途半端だったし残念です。
内容は上記説明で書いた通り風間さん、主人公、そして天霧さんと江戸へ向かうのですが、新選組を追いかけていくという内容なので、ラストは五稜郭まで行くことになります。
途中に主人公の父親の件もありますが、基本は新選組を追いかけるだけの内容です。
甘さはほぼ無く、少しずつ風間さんが主人公に対して優しくなっていくのを堪能するルートだと思えばいいかもしれません。
本当にそれだけなので、キャラクターとしてはかなり魅力的なのですが、とても残念な内容でした。
続編も出ているので、そちらではもっと甘くなっていることを祈るばかりです。
- オススメのセリフ
そうだな …… ここは夢にしがみつき、侍を捨てきれなかった奴らがたどり着いたところだ。
恩義を忘れることができずに、新しい時代に乗れなかった …… 乗ることができなかった大馬鹿やろうどもさ。
…… ふん。だが、あいつらは最後まで己の志に従って戦った奴らだ。
そんな馬鹿な奴らは …… 嫌いじゃない。